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掲載日 : [22-05-25]   照会数 : 3784

「黒い雨訴訟」と被爆者健康手帳…原告以外でも交付申請可能

「黒い雨訴訟」と被爆者健康手帳…原告以外でも交付申請可能

Q

 昨年7月に広島高等裁判所が「黒い雨訴訟」の原告全員に勝訴判決を言い渡したと報道で知りました。この裁判のことや、原告以外の方でも被爆者健康手帳の交付申請ができるのかを教えてください。
 

A

 「黒い雨訴訟」とは、1945年8月6日に広島市に原子爆弾が投下された後に降った「黒い雨」に遭った原告らが、いわゆる被爆者援護法1条3号にいう「原子爆弾が投下された際又はその後において、身体に原子爆弾の放射能の影響を受けるような事情の下にあった者」に該当すると主張し、被爆者健康手帳の交付を求めるなどした訴訟です。

 これまで国は、黒い雨が降った地域のうち、大雨だったとされる特定の地域に居た者に限り、被爆者援護法附則17条にて健康診断の特例措置を認めていました。これによりそれらの者は、被爆者との認定を受けずに被爆者援護法に基づく健康診断の受診が可能でした。

 また、これらの者はいわゆる「402号通達」と呼ばれる通達に基づき、上記健康診断の結果、特定の11種類の障害があると診断されると被爆者援護法1条3号に該当する者として被爆者と認定され、被爆者健康手帳の交付を受けることができました。

 他方で、これら地域外においても「黒い雨」は降ったとされまずが、大雨地域外の方に対しては上記のような健康診断の特例措置などはなされませんでした。

 そのため、これまで長年に渡り降雨地域の実態調査や適用地域拡大の検討がなされていました。

 ところが、国はその適用地域拡大を認めずにいたことから原告らが訴訟で争ったものです。

 広島高裁では、上記11種類の障害を要件とせずに、「黒い雨」に遭った者は広く被爆者援護法1条3号に該当するとしています。また、政府は原告以外の被害者も救済する方針を示していることもあり、同判決が確定した後、原告ら以外の多くの方も被爆者健康手帳の交付を申請するに至っています。

 したがって、訴訟に参加していない方でも、当時、黒い雨に遭ったということであれば被爆者健康手帳の交付申請が可能です。ただし、現時点では被爆者認定の基準改定が難航しているようですので実際の手続きには今しばらく時間が必要です。

弁護士 呉裕麻
 

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