第79周年光復節中央記念式典（主催：民団中央本部、主管：民団東京本部、後援：在外同胞庁）が8月15日、東京・板橋区の「板橋区立文化会館」に都内の団員ら約１６００人が参加して開催された。

　民団東京本部の李壽源団長は開式辞で「韓日友好親善は、過去の歴史を忘れ去るのではなく、過去を直視しつつ未来を見据え、韓日両国の平和と安寧に努力していこう」と呼びかけた。

　尹錫悦大統領の慶祝辞で新任の朴喆煕駐日大使は、「昨年のわが国の国民所得は初めて日本を超えて２０２６年には４万ドルを見込んでいる。世界各国が韓国が歩んで来た道を追いかけようとしている。しかし、これで満足してはならない。統一大韓民国に進むためには私たちがもっと強くならなければならない。私たちの自由を脅かす内外の脅威に立ち向かい、より大きな歴史の発展を成し遂げなくてはならない」と代読した。

  中央本部の金利中団長は慶祝辞で「在日同胞社会が未来に向けて歩んでいくためには、世代交代はもとより新定住者同胞や帰化同胞など多様な同胞を抱擁しつつ、直面する課題を解決していかなくてはならない。同胞社会の大同団結、次世代育成を強く進めていく」と訴えた。

  来賓として公明党の竹谷とし子参議院議員、立憲民主党の阿部知子衆議院議員、日本共産党の小池晃参議院議員、社会民主党の大椿裕子参議院議員、日韓親善協会中央会の石井和美理事長らが登壇し、祝辞を述べた。

　各党代表は民団が日本の地域社会に貢献してきたことに敬意を示した上で、「両国の関係を揺るぎないものとするよう力を尽くす。未来を担う青年たちや自治体同士での民間交流を止めてはならない」と強調。来年が戦後８０年、韓日国交正常化６０年の節目であることから「過去の侵略戦争と植民地支配に関わる歴史問題は避けて通れない」「改定入管法の永住資格取り消し条項の是正を求める」などの発言に会場から大きな拍手が送られた。東京日韓親善協会連合会の保坂三蔵会長、前参議院議員の白真勲議員が紹介された。

　続いて来年の韓日国交正常化６０周年に向かい、韓日親善友好活動に尽力する、在日同胞の尊厳と人権を守り抜き、共生社会実現を期するなどを骨子とした決議文を東京本部の安容範議長が朗読し、満場一致で採択された。青年会東京本部の郭会長の先導で ①韓日関係発展と友好増進に寄与しよう ②平和を脅かすヘイト排外主義を根絶しよう ③韓半島の非核化と平和統一に寄与しよう―とスローガンが斉唱され、会場が呼応した。１部式典は東京本部の金秀吉常任顧問の万歳三唱で幕を降ろした。

　第２部芸能公演では、日本コロムビアの歌手として活躍する金嶋昭夫さん、韓国を代表する往年のトロット歌手、テジナさんらが会場を大いに沸かした。最後は１００人以上のオリニで構成する土曜学校の児童たちが、韓国の童謡「半月」と「故郷の春」を合唱して締めくくった。第３部では韓国往復航空券などが当たる抽選会で光復節記念日は盛り上がった。