韓日関係改善へ最善の努力…光復節中央式典、今年も規模縮小開催


第76周年光復節中央記念式典

万歳三唱


 第76周年光復節中央記念式典(民団中央本部主催、東京本部主管)は15日、東京都江東区の「ティアラこうとう」で開催した。新型コロナウイルス感染防止を踏まえ、規模を大幅縮小し、参加対象を中央、東京本部の3機関、支部、中央傘下団体、韓人会の代表に制限し、キャパシティ1300人のホールに約230人が参加した。昨年に続き、日本各政党国会議員の招待も取りやめ、恒例となっていた芸能公演や大抽選会も中止にし、45分ほどの式典だけで閉幕した。

 式典に先立ち、昨年の光復節で在外同胞財団が主催しKBS(韓国放送公社)で生放送された、祖国のために献身していた在日同胞の勇気と犠牲の精神を振り返るスペシャルコンサート「あなたが大韓民国です」のダイジェスト版が上映された。

 国民儀礼の愛国歌斉唱は東京韓国学校出身のバリトン歌手、李韓潔さんが独唱し、参加者は発声を控えた。

 東京本部の李壽源団長が開会のあいさつで「コロナ禍のため昨年から各級組織の事業・行事が中止または縮小を余儀なくされた。そんな厳しい状況下でも支部や傘下団体のみなさんが懸命に努力してくれ、心から感謝している」としながら、「コロナ禍はまだまた予断を許さないが、感染対策を講じながら諸事業を推進し、相互扶助の精神で団結し困難を乗り越えよう」と述べた。

 続いて姜昌一駐日大使が「在日同胞社会は2・8独立宣言を通じて、民族の自主独立の意志を世界に発信した。この精神が3・1運動と臨時政府誕生の導火線となった」とし、「韓国は今、世界10位圏の経済強国となったが、その過程には在日同胞の物心両面で祖国を支援してきた功労があったからだ。皆様の献身と貢献に心より感謝します」と強調した。

 あわせて、「韓日関係の悪化により、在日同胞の皆様が厳しい試練にさらされていることを存じている。大使館は関係改善のために最善の努力をするとともに、皆様が地域社会に寄与する堂々たる一員として誇りを持って生活できるよう努力する」と付け加えた。

 中央本部の呂健二団長は「今年は民団創団75周年という節目に当たる。貧困と苦難の中で、祖国と在日同胞社会の発展のために献身してこられた諸先輩に深く感謝するとともに、解放を見ることなく犠牲となられた先人たちに衷心より哀悼の意を表したい」としながら、「在日同胞社会の安定と発展は、韓日両国間の友好親善なしには成り立たない。これまで培ってきた韓日友好の絆を糧に、両国の懸け橋としてその役割を一層果たすとともに、同胞の生活と権益擁護、オリニ育成事業に力を尽くそう」と呼びかけた。

 この後、①コロナ危機を克服し在日同胞の生活安定と権益を守るために 尽力②ヘイトスピーチを根絶し、未来志向的な韓日友好関係の構築と共生社会の実現に注力③民団創団75周年を契機に在日同胞社会を担う次世代の育成と組織基盤の強化に尽力④第20代韓国大統領在外選挙に積極的に参与⑤北韓の非核化を強く求め、韓半島の平和体制構築に参与-の5項目の決議文を採択した。

 最後は夫昇培民団中央本部顧問(東京本部常任顧問)の音頭で万歳三唱。コロナ感染予防のため参加者は発声をせず、太極旗を手に握りながら両手を上に伸ばした。

 なお、東京本部では昨年に続いて、例年、光復節式典で参加団員らに配布している、韓国食品などの記念品を支部を通じて団員宅に配布する。

決議文
 本日、私たちは民族解放の歓びと祖国光復のために献身された先達たちの愛国精神を胸に刻むと同時に、今日の繁栄を築いてきた民族の底力を再び想い起こす光復節を迎えました。

 光復76周年と民団創団75周年を迎え、昨年から続くコロナ禍で疲弊した在日同胞社会の困難を克服し、大韓民国の永遠の繁栄と同胞社会の発展のために一致団結し、 組織活性化と同胞社会の大統合、次世代育成、韓日友好増進を積極的に推進していくことを誓いながら次のように決議します。

 一、私たちはコロナ危機を克服し、在日同胞の生活安定と権益を守るために 尽力します。
 一、私たちは民族差別を煽るヘイトスピーチを根絶し、未来志向的な韓日友好関係の構築と共生社会の実現に注力します。
 一、私たちは民団創立75周年を契機に在日同胞社会を担う次世代の育成と組織基盤の強化に尽力します。
 一、私たちは第20代韓国大統領在外選挙に積極的に参与し、在日同胞社会と祖国との紐帯を強化します。
 一、私たちは北韓の非核化を強く求めると共に、韓半島の平和体制構築に積極的に参与します。
 
   2021年8月15日
   第76周年 光復節中央記念式典参加者一同。