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<布帳馬車>日本のリベラル派は嘆くだけ?

 「戦争の惨禍を再び繰り返すことのないよう過去の歴史に対する認識を深め、平和を愛する心を育んでいくことが大切ではないかと思います」。皇太子は55歳の誕生日を前にこう語った。「戦争の記憶が薄れようとしている今日、謙虚に過去を振り返る」大切さにも言及している。

 天皇家は政治的に影響を与えても、利用されてもならないだけに、踏み込んだ発言はできない立場だ。しかし、一般論に過ぎないようでありながら、あったことをなかったことにし、過去を傲慢に美化しようとする歴史修正主義に対する警鐘と解釈しておかしくはない。

 現天皇家は折に触れ、護憲の立場とともにこのような趣旨の発言を重ねてきた。昭和天皇の戦争責任は大きいと考え、皇室を疎ましい存在としてきた左派、進歩派とされる人々の間で、「今や、天皇家こそ日本の良心の象徴であり、私たちの心の拠り所だ」とする思いが広がってきたのもうなずける。確かに、中庸をこととする天皇家の言葉がいつしか、リベラルに位置づけられるほど日本社会は右へ大きく変容してきた。

 しかし、理念化した保守の論客にこづき回され、ネトウヨにあおられて、天皇家を頼りにするまでに衰退したリベラル派の自嘲をそこに感じないわけにいかない。「右傾化日本をつくった」論者の一人小林よしのり氏は、「そろそろ戦争してもいい」と「潜在意識」で思い始めるなど「過剰に右傾化した日本の舵を、いったん真ん中に切り戻す」と『新戦争論』で勇ましく宣言していることをどう思うのか。

 右傾化への危機感発信においてさえ、保守論客に後れをとるとすれば、リベラル論壇はますます浮かび上がれまい。(P)

(2015.3.4 民団新聞)
 

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