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<布帳馬車>建前と本音 切り替えの見事さとは…

 PKO(国連平和維持活動)に派遣される部隊の壮行会で、大勢の報道陣を前にして「誇りに思う」「頑張って任務遂行を」などと語っていた家族らが報道陣退出後の懇談会では表情を一変させ、「私の息子がなぜ危険なところに」「国は責任が取れるのか」と口々に訴えた。集団的自衛権行使容認の動きに懸念を示す大手紙のコラムで知った。

 その家族たちと同じ心情にある韓国人なら、報道陣に向かってこそむしろ声高に本音を叩きつけるだろうと思いつつ、建前と本音の違いはもとより、その見事なまでの切り替えが気になった。誰も統制していないはずではないか。

 自衛のためならいざ知らず、よもや国外で命を危険にさらすことはなかろう。隊員の、少なくとも家族の多くはそう信じてきたに違いない。集団的自衛権の行使が容認されれば、家族の不安はPKOの比ではなくなる。憲法の解釈変更でなされるとすれば、その不安には名分という心の支えさえともなわない。

 それでも恐らく、報道陣に対しては極少数を除いて、身内から反旗は翻せないとの思いが勝り、政府の立場を尊重する建前を通すのだろう。もちろん、自衛隊員への締め付けや家族に対する同調圧力も強く働こう。かくして建前だけが大手を振ることになる。

 建前を「公論」と捉え、本音を「私論」と低く見る日本人の心性は国発展の原動力になってきた。しかし、裏目に出た場合も少なくない。自身と国の明日を決する深刻な論議が建前優位の日本的法則の下で静かに整理されようとしている現実に、韓国のうんざりするほどの政治葛藤がなぜか、愛しく思えてくるのだが。(K)

(2014.6.11 民団新聞)
 

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