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<布帳馬車>「開城商人」の心意気 よみがえる?

 「2015 北韓セミナー」(詳報3面)で、「私経済」の拡大を牽引する新興富裕層とも言うべきトンジュ(金主)についても報告された。警備システムが整った豪邸に住まい、通常の1500倍の料金を払って電気を特別供給させ、一般労働者の90倍もの手当で家政婦を雇っている者もめずらしくないとか。一方では、高利貸しに食い物にされる庶民も多く、担保に入れた家屋を奪われホームレスに転落する例が後を絶たない。

 市場が主導する資本主義経済でも、共産党による中国式経済でも貧富の格差は拡大する。社会主義経済を建前とする、経済規模の小さな北韓でも例外ではない。ソルジェニーツィン著『イヴァンデニソビッチの1日』ではないが、収容所でも要領よく立ち回れば「蓄財」の真似事はできる。その主人公のような人物がトンジュの原型であろう。貨幣の使用からさほど時をおかずして生まれた伝統ある高利貸しを手始めに、市場と持ちつ持たれつで大きくなった。だが、体制を改革・開放に転換させる力にはほど遠いという。

 トップクラスのトンジュは核心幹部と結託して特権を行使し、その核心幹部はトンジュからの上納金の一部を金正恩に「忠誠資金」として貢ぎ、金正恩はそれを「統治資金」として使う。こうした縦割りの構図のなかで生かされるだけの、横に連携することが不可能な、いつでも各個撃破される存在に過ぎないからだ。

 トンジュは、「お主も悪よのう」などと言われながら大名に取り入る御用商人だ。だが、義心がある者もいよう。最先端の経営理念で力のあった「開城商人」の心意気がいずれよみがえると信じたい。(S)

(2015.7.29 民団新聞)
 

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