金 晃(児童文学作家) 植民地統治からの解放、南北の独立と韓国戦争、日本の国家主権回復、そして韓日国交正常化というながれの中で、いくどとなく問題視されながらも、どこからも与えられなかった選挙権が、ようやく与えられるようになった。 とても小さな一票だが、たいへん大きな前進である。これは、在日の先輩たちが起こした裁判によって勝ち取った権利なのだ。 今、世界は「アジアの時代」を迎えている。 そのキャスティングボードを握っているのが、我が国、韓国だ。 今後、韓国はどこへ向かうのだろう。アメリカと進むのか? 中国と進むのか? 韓国の動き次第で、アジアの勢力図が変わる。我が国は小さな国だが、世界の中心であるアジアを動かす大きな力を持ちつつある。 そんな国のリーダーを、(日本のように間接的でなく)我々は直接選ぶことができる。いいや、ちゃんと選ばないと、日本に住む私たちもたいへんなことになる。ちょっとオーバーな話をしたが、こんな視点で大統領選挙を見ると、もう、投票にいかないわけにはいかないでしょ。 (2012.10.3 民団新聞) |