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<布帳馬車>スマホ 国際交流に一役
 「再見!」「謝謝!」。初めて中国人観光客と触れ合った。出張先(静岡・掛川市)での仕事帰り、上司と遅めの昼食をとるために駅周辺の喫茶店に入った。まるで昭和時代を彷彿させるようなレトロな店で、老夫婦が経営していた。メニューをながめていたその時、ぞろぞろ大群が入店してきた。その数16人。それまで数人しかいなかった店が急に賑わいをみせた。

 老マスターは厨房、フロアを担当するマスターの奥さんが注文を聞いても相手はちんぷんかんぷん。そのうち「ピザは時間がかかるからだめ」「言葉が分からないわ」と奥さんはいらいらし始めた。

 この状況に見かねたのが上司だ。カバンからスマホを取り出し「こういう時は翻訳機だな」と奥さんの話を中国語に変換。スマホを受け取った私は4テーブルに分かれた観光客に見せにまわった。うなずく16人。

 やっと落ち着いたと思った途端、今度は「海鮮そば? ここは中華店じゃないからできないよ」と訳の分からないことを言い出した奥さん。再度スマホで確認すると「シーフードスパゲッティ」であることが判明。げっそりした表情の奥さんが気の毒で、私は厨房にオーダーを出したり、コップを下げたりと臨時でフロア係を代行した。

 新幹線には乗り遅れたが、中国人観光客が増えていることや町の様子を知ることができた。私たちが店を後にする時、奥さんから「ありがとう、助かった」、16人からは「謝謝」と、つたない日本語で「ありがとう」と感謝された。帰り道「今日はいい仕事をしたな」と私たち在日が小さな国際交流に参加できたことを喜んだ。さすがだなスマートフォン。(H)

(2016.2.24 民団新聞)
 
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