地方本部 HP 記事検索
特集 | 社会・地域 | 同胞生活 | 本国関係 | スポーツ | 韓国エンタメ | 文化・芸能 | 生活相談Q&A | 本部・支部
Home > ニュース > コラム
<布帳馬車>アボジと民団史がリンクした
 新年号の「親子3代 民団サラム」に、60代後半の2代目のなかには感懐を呼び覚まされたサラムもいた。そんな一人の語りである。

 小学校低学年の頃まで、比較的同胞の多い支部でアボジは「プーダンジャン(副団長)」と呼ばれていた。バラックに毛の生えたような家でも人の出入りは多く、しょっちゅう車座になっての酒盛りがあり、大声張り上げての口論があった。花札をしては殴り合いになることもざらだった。

 博打のカタなのであろう、黄色い油紙に包まれた拳銃、切れ味鋭い日本刀、朝鮮弓など凶器といわれる代物を届けたり、貰い受けに行ったり、パシリもずいぶんさせられた。そんな遣り取りで訪ねた先に、中央本部の大幹部になった人物もいた。

 嫌いだった民団とは体調を崩したアボジが一線を退いてからは自然と縁が切れた。だが、同年代の同胞とつるみたい気持ちは強く、大学では韓国社会文化研究会に属した。その縁で、卒業後しばらくして青年会活動に誘われ、民団の歴史に関心をもってから自分は大きく変わった。

 アボジが副団長だったのは6・25韓国戦争勃発の前年から、朝連が民戦になり、民戦が朝鮮総連になっていく時代だった。歴史を知ることで、財力・組織力・行動力で圧倒する彼らに劣勢の民団が立ち向かう姿と、棍棒を持ってトラックの荷台に乗り込むアボジやその仲間たちの群像が自分のなかでリンクした。

 身体ばかりか精神にまで障害のある同胞がまわりに何人かいた。総連系との血みどろの闘いで負ったものだったのだ。彼らは熱誠団員でありながら、1代で終わることを余儀なくされたのではないかと思う。そんなサラムも顕彰してほしい。(J)

(2016.1.27 民団新聞)
 
最も多く読まれているニュース
差別禁止条例制定をめざす…在日...
 在日韓国人法曹フォーラム(李宇海会長)は7日、都内のホテルで第6回定時会員総会を開いた。会員21人の出席で成立。17年度の報告があ...
偏見と蔑視に抗って…高麗博物館...
 韓日交流史をテーマとする高麗博物館(東京・新宿区大久保)で企画展「在日韓国・朝鮮人の戦後」が始まった。厳しい偏見と蔑視に負けず、今...
韓商連統合2年、安定軌道に…新...
金光一氏は名誉会長に 一般社団法人在日韓国商工会議所(金光一会長)の第56期定期総会が13日、都内で開かれた。定数156人全員(委任...
その他のコラムニュース
<訪ねてみたい韓国の駅30...
歴史伝える赤レンガ駅舎 赤レンガの駅舎が、行き交う人々を見守っている。 韓国の鉄道の玄関、ソウル駅。1925年に竣工した赤レンガ...
<訪ねてみたい韓国の駅29...
開業100年、世界遺産の玄関 歴史ある古都の玄関には、それにふさわしい風格が備わる。韓国の古都と言えば、新羅の都、慶州だ。その玄...
<訪ねてみたい韓国の駅28...
未来都市のユニークな駅 いかにも未来的な名前のこの駅は、なかなかユニークな存在だ。まず第一に、その立地。ソウルメトロ6号線、空港...

MINDAN All Rights Reserved.