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<布帳馬車>97歳、奨学金事業継続へ意気盛ん
 都内在住の在日同胞が今年も、高齢のため痛む足を引きずりながら郷里の全羅南道宝城郡を訪れ、小学生から高校生まで合わせて247人に8340万ウォンの奨学金を手渡した。今年で8回目。これまでの支給総額は5億ウォンを超えた。

 奨学会を主宰しているのは、97歳の在日同胞、金玉男さん。「秋信奨学会」として93年春から奨学金の支給を始めた。第1回伝達式では中・高校生60人を対象に合わせて2500万ウォン。日本円に換算すると一人あたり4万円前後とささやかなスタートだった。この間に奨学金を贈られた学生は延べ1500人近くに増えた。

 郷里では日本で成功した実業家として紹介される。だが、実業家といっても、内実は福島県で小さなメッキ工場を経営しているにすぎない。日々の生活費をコツコツ倹約し、奨学資金にあててきた。ここ数年は不況の影響を受け、とうとう自ら所有する土地を手放さなければならなかったという。

 奨学会を設立する前は、「宝城人会」会長として在日同胞会員から寄付を募り、電気を引いたり、学校の体育館や図書館、女性老人会館など、宝城で公共施設を新築する資金を送ってきた。こうした貢献は約20年間続いた。このため、宿願だった奨学会の設立が遅くなった。

 いまは補聴器が手放せず、足も不自由だが、金さんを診察した医師は「内臓はどこも悪いところはない」と驚いている。金さんも「少なくともあと5年は自分で奨学金を手渡す」と意気込む。

 5年後には102歳になる。郷里を思う気持ちは、裸一貫で日本に渡ってきた20歳当時そのままだ。(J)

(2010.6.9 民団新聞)
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