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<布帳馬車>日本に自信を持てていたら

 ある大学の学生を二つの集団に分け、一方を囚人あるいは捕虜に、もう一方を看守あるいは警備員とする。時間がたつにつれ前者は恐れおののくようになり、後者は厳めしく残虐になっていく。この種の実験で、状況が人間を想像以上に変えてしまうことが証明されている。

 同僚たちが一杯やりながら気にくわない上司をああだこうだと論評し合っている。だんだん口撃が尖鋭になって人格否定にまで及び、擁護論でも出ようものなら火に油を注ぐことになる。特定人物に対する悪口を叩いて仲間内で盛り上がった経験は、たいていの会社員が持っているはずだ。

 これらは集団分極化の現象と言われるらしい。では、週刊誌を中心とする日本のメディアが日本人読者を対象に、韓国に対する憎悪をこれでもかと一方的に煽っている現実をどう見るべきか。憎韓キャンペーンの推進者は看守になりきっているかのようで、身内である日本人に憎韓感情を増幅させて集団一極化させ、自らはより残虐になっていくつもりらしい。

 ところで会社員の場合、上司への悪口では意気盛んになっても、格下に対する悪口は口にしにくく盛り下がるだけだろう。その伝でとらえ直せば、日本を自画自賛してやまないメディアほど憎韓論に熱心なのはどういうわけか。もしかしたら、心底では日本に自信が持てていないのかも知れない。

 それはともかく、日本の教育機関を中心に、人々を例えばヘイトスピーチ側と被害者側の二つに分け、それぞれの役を演じる機会をつくってはどうか。想像力が及ぶだけで「これが日本か」と事態の醜悪さにおののくに違いない。(K)

(2014.9.24 民団新聞)
 

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