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<布帳馬車>やすやすと支配されることなく
 哲学者ヒューム(18世紀・英国)は、民衆をやすやすと支配しているように見えてその実、独裁者がもっとも神経を使うのはつまるところ世論(民心)であり、それはいかに専制的・軍事的な権力であっても例外ではないとした。確かに、ソ連、東欧、アラブなど多くの独裁が民心によって葬られた。世紀をまたいで続く北韓独裁も埒外ではあるまい。

 そんな北韓を脱出し、韓国に入国する同胞が再び増加に転じた。5月末までに590人を超え、昨年同期比で16%増となった。11年に2706人を記録して以来、12年は1502人と激減、その後も13年1514人、14年1397人、15年1276人と漸減していた。

 世襲3代目に入り、脱北に対する監視・処罰が厳しくなっただけでなく、「私経済」の領域が広がって経済状況が一部好転したことも要因とされてきた。だが、脱北者は年内には累計で3万人台に乗る展望だ。

 最近では党・軍・政の高位幹部の脱北が目立つという。4回目の核実験を強行して以降、国際社会の制裁強化によって海外で外貨稼ぎに従事するエリートの動揺が激しくなっているそうだ。これが関連人脈に影響しないわけがない。脱北はすでに民心になっている。

 5日のNHKスペシャルは、独自に入手した北韓の機密ファイルを3年近くかけ、世界の専門家と分析した結果を報道した。権力中枢における葛藤のすさまじさとともに示されたのは、命をかけてでも北韓の実情を外部に知らせたいと考える人々が増えている現実だ。やすやすと支配されることを拒否する意思の存在に、光明を見ないわけにはいかない。(J)

(2016.6.8 民団新聞)
 
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