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鵲のこころ<10> 同室生活で 共に学ぼう

 国際交流基金の2009年の調査結果によると、海外の日本語学習者の学習目的は、「日本の歴史・文学等に関する知識・情報を得るため」「日本のアニメ・マンガ・J‐POP等に関する知識・情報を得るため」「日本語によるコミュニケーションができるようになるため」等が主なものだという。

 一方、韓国での調査結果をみると、初等教育や中等教育においては「機関の方針」と答えた人が多く、高等教育においては、「日本語によるコミュニケーションができるようになるため」と答えた人が多かった。

 そこで、ここではHIDについて紹介しようと思う。HIDというのは「Hallym International Domitory」の略で、翰林大学の国際寮のこと。 HIDでは寮内を階ごとに英語、日本語、中国語、ロシア語に分け、面接試験に合格して入寮した留学生と韓国人の学生が生活を共にしながらお互いの言語・文化を学んでいる。たとえば日本語寮では、韓国人の学生と日本からの留学生が生活を共にし、日本語を使って生活している。

 寮生のための特別なカリキュラムとしては、ネイティブの教員が担当する「生活日本語」や留学生がチューターとなり日本語を教える「チューター授業」等がある。

 「生活日本語」は、まさに生活に必要な日本語を学習する科目であり、放課後、寮で同世代のチューターと討論中心に小グループで日本語会話を学習するのが「チューター授業」である。「生活日本語」と「チューター授業」は連携しており、ネイティブの教員がチューターを指導しているので、初めて日本語を教える留学生も安心である。そして、チューターには奨学金が支給される。

 授業以外にも、HIDにはのど自慢、言語と文化の夜、スポーツ大会、コリアンフードデイ、韓国文化体験等の行事がある。言語と文化の夜というのは、チューターの指導のもと、韓国人の寮生が日本について研究したものを日本語で発表するワークショップのことで、「メロンパンの研究」や地域研究など、大学生ならではのユニークな研究が多い。

 このようなプログラムは韓国の大学生にとっても日本からの留学生にとっても、お互いに言語や文化が学べるよい機会となる。ここでの生活が日本と韓国の若者にとって一生を通じて忘れられない貴重な経験となり、ひいては日本と韓国の友好関係に繋がることを筆者は期待している。

おわり

齊藤 明美(翰林大学校・日本学科教授)

(2011.5.11 民団新聞)
 

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