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第6軍団クーデター事件 萩原遼(作家)
 北朝鮮の北部、東海に面した都市羅南での話です。ここには北朝鮮人民軍の第6軍団司令部が置かれていました。

 食糧難がきびしくなった1990年代半ば。兵営近くに一軒の闇の食堂がありました。北朝鮮では個人の営業は禁止ですが、食糧配給が滞るなかで、自然発生的に闇市や闇の商売が生まれ始めました。お得意さんは第6軍団の飢えた兵士たち。畑からくすねてきたトウモロコシなどをこっそり「煮てくれ」と持ちこみ、代わりに現物を少し置いて行くのです。

 そんな付き合いが何年も続いたある日、なじみの兵士の一人が重そうな背嚢(はいのう)を渡し「コメだ。すぐに出発するから握り飯とかえてくれ」と頼みました。信用していたおかみさんは言うままに渡しました。あわただしく立ち去った兵士の残していった背嚢の中身は砂でした。

 脱北者から最近聞いた話です。その人のいいたかったことは、第6軍団のクーデター計画は事実だったというのです。平壌に攻め上って金正日政権を武力で倒すという大規模な決起の計画だったといいます。計画発覚後、上層部は銃殺、兵士たちは全員総入れ替えされ、夜中にトラックでどこかに移動させられ、新しい部隊が入ってきたというのです。

 私が訳した『北朝鮮・国家安全保衛部』(文藝春秋)にも事件は記されています。翻訳しているときは半信半疑でしたが、その動きをま近に見ていた人が脱北して私に伝えてくれたことで事の重大さを認識、そして思ったのです。私の次の仕事は北朝鮮で胎動している人民の動きを可能な限りつかみ、それをまとめることだと。

(2003.5.14 民団新聞)
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