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<布帳馬車>「母の日」にこと寄せて
 理髪師は酒焼けのような私の頭を見て、早死にした飲兵衛亭主を思い出したのか、ハサミを入れながら身の上話を始めた。子ども4人を女手一つで育て終え、豊かではないながらも悠々自適の毎日だとのこと。俳句の会、短歌の会とけっこう忙しいともいう。

 在日社会は苦労した女性の比率が高い。だが、不本意な人生を嘆いては酒に溺れ、女房に暴力を振るい、早死にした男たちが多い分だけ、今では人生を達観し、80を過ぎてもピンピンしている姿が目立つ。男は1世、女は2世の場合が多く、生活の苦しさ以上に言葉の壁や感性の違いもあった。

 そんな2世の高齢化したオモニたちが、詩作の技術を身に着けたら、どんな言葉が溢れ出てくるのだろう。詩心というよりも詩魂と呼ぶにふさわしい、部厚い鉱脈があるに違いないのだ。俳句でも短歌でもいい。日本でも同胞を中心に広がりを見せている時調(三行詩)でもいい。なんらかの定型に言葉を載せてくれればと思う。

 韓国や日本の定型詩は国や文化の境界を越えて、豊かな感性を取り込もうとしている。日本的な感性を含んだ在日の詩は、韓国の詩壇で注目され始めた。オモニたちも挑戦してはどうか。登竜門としてMINDAN文化賞もある。

 キムサッカや若山牧水のように酒は飲めても、詩はからっきしの当方、せめてはこの句に載せてオモニたちへエールをおくりたい。「春眠の夢路を借りて母に会う」(金泰定=韓国外語大学名誉教授)。(D)

(2008.5.14 民団新聞)
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