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<布帳馬車>ちらちら見て「次です!」
 ラッシュの車内。腰にカバンが当たるので、その主の顔を確認した。20代半ばと思われる女性は大きなカバンをたすき掛け、スマートフォンに夢中になっているから人にあたろうが眼中にない。おや? 彼女の左横と斜め前に立っていた2人の女性がその彼女と髪型、メガネにぽっちゃり体型まで似ている。

 「三つ子?」。幼い頃、母親から「人の顔をじろじろ見てはいけない」と言われたが、すぐにその言葉を打ち消し、3人の顔をガン見した。けれども話を交わすわけでもなく、おのおの別の駅で下車したことから彼女たちは他人と結論づけた。

 確かにじろじろ見られた方は気分は良くないだろう。以前、私たち母娘も韓国の地下鉄でちらちら見られたことがある。

 乗車すると満席だったが、杖を持った高齢の母を気遣った中年夫婦が席を譲ってくれた。そのとき私は韓国語で「○○駅に行きますか」と聞いた。ドア付近に立った2人は、日本語を話す私たちが気になるらしく、ちらちらと何度もこちらに視線を送った。なんと下車駅に着く直前、こちらに近づき「次です」と教えてくれたのだ。

 出口が分からずウロウロする私たちが心配になったのだろう。2人が駆け寄り改札まで誘導してくれたのには感激した。 チラ見もガン見も、気になるから見るという行為だが、その意味は大きく違うのではないだろうか。チラ見は遠慮がちに対象者を観察すること。無遠慮に見るガン見は喧嘩に発展することはあっても、それ以上何も生まれないのでは。チラ見によって私たち親子は迷わずにすんだし、気持ち良い配慮が含まれていることを、韓国の夫婦は行動で示してくれた。(M)

(2016.3.9 民団新聞)
 
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