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<布帳馬車>桜の季節にふんわり咲いて

 爆弾低気圧が過ぎ去ったあと、心地よくお花見を楽しめた同胞も多かったはず。お酒や料理をはさんでの談笑では、初の在外選挙がいい肴になっていた。

 投票所に、ひと際思い入れの強そうな親子がいた。60代半ばの2世らしきその人物は端然としていて、マオカラーがよく似合っていた。投票の様子を娘さんが何度も写真に収め、ふたりで喜びをかみしめていた。はじめは満面の笑みだったが、気がつくと目頭をおさえていた。肩を震わせて「感激しました」と涙さえ隠さない。

 これまで「様々な政治活動や経済活動をしてきた」という。在日として懸命に歩んできたからこそ、生まれて初めての権利の行使に、韓国人として認められたという想いが感極まったのか。何より「日本で投票できたことが嬉しい」という。

 韓国憲法裁は在外国民の選挙権を当然の権利とした。これを最高のご褒美として受け止めた同胞も多かったのでは。たとえ小さな1票でもそれぞれの生き様が深く刻まれたはず。

 政党についての知識が足りないだとか、現地の事情を知らないだとか、そんなもの承知の上だ。在日は祖国に対し、圧倒的な貢献の歴史があり、他を圧するほどの熱さがある。独自の視点から参与できるとの自負は決して小さくない。

 投票所では数年ぶりに再会し喜び合う姿もあった。人々のつながりは素敵だ。1つひとつの気持ちが、韓国の未来を創っていく。そういった選挙にしていければと思う。在外同胞にしかないエネルギーで、韓国をより豊かな国へと加速させよう。

 桜の季節にふんわり咲いた夢は、12月に向かってさらに大きくなっていくだろう。(K)

(2012.4.12 民団新聞)
 

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