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迅速・検証可能な撤廃を

韓米日首脳・北韓核開発に共同声明



 金大中大統領とブッシュ米大統領、小泉純一郎日本首相は、第10回アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合出席のためロスカボス(メキシコ)を訪問中の26日、3カ国首脳会談を行い、核開発継続を認めた北韓に対し、「迅速かつ検証可能な方法でウラン濃縮プログラムを撤廃し、すべての国際的な義務を完全に順守する」ことを求める共同声明を発表した。

 3カ国首脳は、北韓の高濃縮ウランを利用した核開発計画は「米朝枠組み合意」(94年)と核拡散防止条約(NPT)、国際原子力機関(IAEA)保障措置協定、韓半島非核化共同宣言(92年)に対する違反だと規定、このように要求した。

 会談では、3国が中国やロシアなど他の関係国と連携し、北韓への粘り強い働きかけを通じて平和的な解決を目指すことでも一致した。

 ブッシュ大統領は「米国は北韓を侵略するつもりはない。継続的で脅迫的ではない形で対応したい。解決に自信がある」と表明。また、「韓半島の非核化および平和的解決に向けて、米国と中国との間にも共通の利益がある。北韓はわれわれの支援を必要としているのだから、核の問題を解決するチャンスがある。北韓の平和的行動を求める」と述べた。

 金大統領は北韓の核開発に強い懸念を表明し、北韓が核開発凍結を約束した「米朝枠組み合意」に違反している点を認めながらも「枠組み合意が北韓のプルトニウム開発を阻止してきたのは事実であり、新たな危機をつくりだしてはならない」と強調した。これに対しブッシュ大統領は「この問題が微妙な問題であることを完全に理解している。収拾がつかなくなることがないよう対応する」と述べ、当面は枠組み合意を維持、北韓の出方を見守る考えを示した。

 小泉首相は、29日にクアランプールで再開する北韓との国交正常化交渉について「交渉では拉致問題とともに核を含む安全保障問題を最優先として取り上げる。『日朝平壌宣言』の完全な順守なくして交渉が妥結されることはない」と強調した。


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北韓に核放棄要求
APECが異例の首脳声明

 APEC首脳会合は27日、北韓に核兵器計画の放棄を求める特別声明を発表して閉幕した。APECが個別の安全保障問題で声明を出すのは極めて異例である。

(2002.10.30 民団新聞)



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