掲載日 : [20-08-15] 照会数 : 12142
「5つの基本」を守る…第75周年光復節中央団長慶祝辞
地域社会で友好構築…ヘイト根絶・地方参政権獲得へ
親愛なる在日同胞の皆さん!
過酷な植民地支配から解放されて、75周年の8月15日を迎えました。
民団は、大韓民国樹立に先立つ2年前の1946年から、毎年、全国で光復節記念式典を開催してきました。
私たちは今日この場において、祖国の解放を見ることなく犠牲となられた先人たちに深く思いを致し、同時に解放後、祖国と在日同胞社会の発展のために尽力して来られた諸先輩に深く感謝の意を表したいと思います。
同胞の皆さん!
新型コロナウィルスの感染拡大によって、私たちの生活や経済、社会活動が大きな影響を受け、いまだ終わりの見えない不安な状況が続いています。また7月の豪雨で被災された同胞の皆さんに心よりお見舞い申し上げます。
かつてない非常事態にあたって、この危機を共に乗り越えるために、私は5つの基本を「守っていく」ことを改めて皆さんに訴えたいと思います。
◆同胞の生活
まず第一に、不当な不利益を被ることのないよう、団員・同胞の生活と権益をしっかりと「守っていく」ことです。
民団は団員・同胞のための「生活相談センター」の役割を担っています。コロナ禍のなか、団員・同胞の相談窓口としての機能をより充実させていきます。
また、私たちの人権を守るためヘイトスピーチの根絶と、住民の権利としての地方参政権の獲得に尽力して参ります。
◆韓日友好関係
第二に、韓日友好関係をしっかりと「守っていく」ことです。
韓日関係は在日同胞社会の死活問題です。韓日の友好関係があってこそ、在日同胞社会は成り立ちます。民団は創団以来、韓日友好の懸け橋としての役割を果たしてきました。どんな時も、私たちは「仲良くしよう」をモットーに、地域社会で継続して「韓日友好」のゆるぎない「場」をつくって参りましょう。
◆次世代育成の場
第三に、次世代育成のための「学びの場」をしっかり「守っていく」ことです。コロナ事態によって、全国規模の「オリニジャンボリー」は中止を余儀なくされましたが、コロナに負けず、各地域でオリニキャンプや土曜学校の再開など、実施可能な次世代育成の学びの場をつくって行きましょう。
◆韓半島の平和
第四に、韓半島の平和を「守っていく」ことに寄与することです。
今年は、北韓の南侵による6・25韓国戦争勃発から70年目を迎えました。数百万の死傷者と多くの孤児・離散家族を生み、韓半島に分断の悲劇と大きな惨禍をもたらしました。日本からも642人の在日同胞が青年学徒義勇兵として、祖国の防衛最前線に赴き、135人の尊い生命が奪われました。
北韓の侵攻から祖国を死守した殉国戦士たちの尊い犠牲があったからこそ、自由と民主主義国家・大韓民国の今日の繁栄があることを、私たちは忘れてはなりません。韓半島で二度と戦争を起こさないためにも、北韓は完全なる非核化を実現し、韓半島の平和体制の構築と北東アジアの安定に努めなければなりません。
また、北韓の人びとの人権と自由が尊重される民主化が実現されてこそ、韓半島の平和の意義が増すものであります。
◆組織を守る
第五に、民団組織をしっかりと「守っていく」ことです。
この間コロナ感染の影響により延期されていた「家庭訪問」を通じて、団員・同胞の安否確認、慰労、励まし、連帯の声をかけていきましょう。困ったときに「拠り所」となる民団の存在意義を高め、また各種ワークショップを通じて後継者育成に努めて参りましょう。
親愛なる同胞の皆さん!
コロナ禍の中にあって、私は中央団長として同胞社会の活力が失われないよう、皆さんの暮らしを守り、同胞の経済や社会活動を支えていくために全力を尽くして参ります。
皆さんにおかれましては、引き続き、感染症の防止に努めていただき、くれぐれも健康と衛生管理にご留意されてください。
ともに一緒になってこの危機を乗り越え、祖国と在日同胞社会が益々発展し、日本社会に寄与できる基盤を確固なものにしていきましょう。
감사합니다.
2020年8月 15日
在日本大韓民国民団中央本部
団 長 呂 健 二