掲載日 : [20-09-01] 照会数 : 11017
共生社会実現へ団結を誓う…関東大震災殉難同胞追念式
[ 追悼辞を述べる李壽源民団東京本部団長 ]
[ 大震災が起きた午前11時58分に約1分間の黙とうをささげる参列者 ]
1923年9月1日に発生した関東大震災から97年を迎えた1日、民団東京本部(李壽源団長)は、東京・港区の韓国中央会館で「第97周年関東大震災殉難同胞追念式」を挙行した。
毎年開催している同追念式は、通年なら約200人規模で行われていたが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の関係で参加対象を制限。南官杓駐日大使や民団中央本部の呂健二団長、朴安淳議長、梁東一監察委員長、顧問のほか、民団東京本部と各支部代表、婦人会、青年会など傘下団体から約80人だけが参列した。
まず、東京本部の申大永副団長は経過報告で「関東大震災の悲劇は天災であると同時に同胞を虐殺した人災である」と述べた上で、「残虐な虐殺にあっても、国がないため抗議はもちろん、事件の調査要求もできなかった。日本当局は自警団員の一部を裁判にかけ、責任を転嫁するとともに、軍と警察が韓国人虐殺を隠蔽工作によって犯罪の痕跡を包み隠すために狂奔した事実を終戦の日まで知られることがなかったことを私たちは肝に銘ずべきだ」と強調。
さらに、「震災から97年、戦後75年経った今も日本政府による真相究明はおろか、犠牲者に対する謝罪や補償責任も果たしていない」と指摘し、「近年、横行しているヘイトスピーチと歩調を合わせるかのように歴史の修正や外国人排除しようとする風潮は在日同胞社会の安全と生活を脅かしている」とした上で、「民団はこれからも同胞社会の安定と共生社会実現のために、韓日の懸け橋として邁進していく」と霊前に誓った。
南大使と呂団長が代表献花した後、東京本部の李団長は、「私たちが毎年追念式を行うのは犠牲同胞に哀悼を表すとともに、非人道的な蛮行を糾弾し、惨劇の真実を後世に伝えることが使命だからだ」としながら、「市民団体主催の追悼式に小池都知事が4年連続で追悼文送付を拒否した。これは虐殺の事実を隠蔽するとともに人々の記憶から消し去ろうとする政治的行動だ」と遺憾の意を示し、「この地で子々孫々が安心して平穏に暮らしていけるよう、同胞の権益擁護と地域住民として共存共栄できる社会構築へ団結していく」と霊前に誓った。
この後、参列者全員が順に献花をした後、大震災が起きた午前11時58分に約1分間の黙とうをささげた。