
「北送」で被った人権侵害に対し、脱北者4人に一人当たり1億円の損害賠償を北韓に求めている民事訴訟の差し戻し審判決で、東京地裁は1月26日、「北送」の違法性を認め、北韓に計8800万円の賠償を命じた。日本の裁判所が「北送」をめぐり、北韓政府に賠償を命じたのは初めてである。
原告は川崎栄子さん(83)ら4人で、1959年から84年にかけて実施された「北送」で北韓に渡航したが、その後脱北し日本に帰ってきた。2018年に1人あたり1億円の損害賠償を求めて提訴した。
国交がない北韓には判決文を送達できず、今後は「公示送達」の手続きで裁判所の掲示板に判決が出たことを示す文書が張り出され、翌日から2週間以内に北韓が控訴しなければ判決が確定する。賠償金が支払われない場合、原告側は不動産や預貯金など日本国内にある北韓の財産を特定して裁判所に差し押さえを求めることができるが、実際に回収できるかは不透明だ。