日本政府が導入を検討している永住者を対象にした入管法改定案に対し、民団中央本部の鄭文吉事務総長と生活局担当者は4月10日、参議院会館を訪れ、公明党の竹谷とし子参院議員、大口善徳衆院議員、石川博崇参院議員、國重徹衆院議員と今法案に関して意見を交換した。
同党議員からそれぞれ今法案の内容説明があり、資格取消はあくまでも「故意の場合が要件である」と強調された。これに対し、鄭事務総長は「民団の構成員は特別永住者だけではなく、日本の植民地政策によって古くから日本で生活する永住者も多く含まれている」と前置きし、「全国の地方本部がこの法案内容に危機感を持っている」と述べた。
永住者に対する入管法改定案は2月9日、政府が今国会で成立を目指す「育成就労制度」の導入や「特定技能制度」の職種拡大に伴い、「永住者」が増加することを予測、永住資格の適正化を求めたものとされている。
しかし、最も安定した永住者の資格を、税金や社会保険の滞納や過失犯を含めた軽微な犯罪の場合も対象にする等、永住者の地位を著しく脆弱化・不安定にするものであり、政府が進める「共生社会実現」に逆行するものと論議を呼んでいる。
民団中央本部では、今後も公明党をはじめとした各政党に対し、永住者資格が簡単に取り消されることのないよう、法案の行方を注視しながら交渉を続けていく。
今法案の対象には特別永住者は含まれていない。