掲載日 : [22-04-08] 照会数 : 7211
【寄稿】混乱主導した人士、潔く退く事を望む…民団中央副団長呉英義
[ 「決起集会」シナリオの表紙 ]
[ シナリオの一部 ]
第76回定期中央委員会“混乱”シナリオ作成
前夜の決起集会で予行演習…厳正中立の監察機関も関与
【寄稿】民団中央本部副団長 呉英義
3月29日に第76回定期中央委員会が、民団大阪地方本部で開催されました。中央委員会の一連の経緯説明と共に問題点をあげてみます。
1、中央委員会の象徴である開会式を妨げ、来賓である東京・大阪総領事等公館員の退出を招いたこと。
三機関長の挨拶中にも不規則発言を続け、委員会の権威を貶め、民団の混乱を本国にも知らしめて、本団の位相を貶めました。
2、議事進行を妨害し、委員会を混乱させたこと。
議長の再三の指導にも拘わらず、「動議!動議!」など不規則発言を続け、妨害しました。
3、「臨時大会」要求派の中央委員が途中退場して、中央委員の責務を放棄したこと。
「緊急動議」が不可能になり、自分達の不利が明らかになると、中央委員の責務を放棄し、退場しました。
4、監察委員会全員が責任を放棄し、途中退場したこと。
監察委員会は「不羈独立」「厳正中立」「公明正大」を標榜する機関にも拘わらず、前代未聞の監査報告書を提出し、これが否決されました。その上、途中退場し監察委員会としての責任を放棄しました。
5、前日の28日に「臨時大会」要求派が決起集会を開き、中央委員会の混乱を企て、その混乱に監察委員会も関与したこと。
28日に大阪のホテルで「臨時大会」要求派の決起集会が開かれました。そこでは詳細な決起集会シナリオ(A4紙8ページ)が準備され、当日の各人の役割分担、発言内容、その順番まで決められていました。(写真参照)
このシナリオに従って中央委員会の妨害行為が進められたことは、「威力業務妨害罪」にあたる犯罪(弁護士談)であり、民団組織の分裂策動と糾弾します。
また、なんとその集会に金春植監察委員長はじめ全員が参加し、役割分担までしていました。監察委員会は重大な責任を問われなければなりません。
中央委員会では、金昌植常任顧問の激情溢れる叱咤激励や金時鐘顧問の涙ながらの訴え、姜昌萬委員の大同団結の求める発言もあり、とても感動的でした。
先輩の方々の心中、察して余りあるものでした。最後に、朴議長と呂団長の“将来の民団のために考えよう。もう一度努力してみよう”との締め括り発言で閉会に至りました。
全ては“嘘”から始まった
さて、今回の団長選挙から始まる第55期中央大会での一連の騒動は前代未聞の連続でありました。
全ては“嘘”から始まり、その“嘘”を糊塗するために“嘘”を重ねてきました。
▼まず、選挙管理委員である呉公太常任顧問(当時)が、選挙管理委員を辞退し、任泰洙団長候補の選対委員長に就任。
▼2月初に任泰洙団長候補に対する怪文書、新聞記事(恐喝未遂事件で逮捕)
▼任候補選対事務所の河政男事務局担当者名および任候補本人名で否定の文書を選管の許可なく有権者に配布。
▼2月26日に開かれた第55期中央大会では、任候補の(恐喝未遂事件で逮捕)の真偽が判明せず、3月12日に延期。
▼3月11日に札幌地検より任候補の有罪を明示した通知書を受領。「恐喝未遂事件と無関係であった」という虚偽情報で、有権者を欺いた選挙運動が判明。
▼3月12日の続会前に、選挙管理委員会が任候補に立候補取消通知書を手渡し、本人が受領。(この時点で任氏は候補資格を失う)
▼3月12日の続会は、副議長2人の誤った議事運営で大混乱を招く。
韓賢澤副議長は誤った議事運営を認め、自ら副議長を辞す。しかし、その後も趙龍済副議長は恣意的な議事運営を続け、選管報告による三機関長の無投票選出を宣言せず、大会の続行は困難となる。河政男氏、安容範東京本部監察委員長、鄭文吉同副団長、婦人会員等の騒乱・妨害行為もあり再度休会。(当時の映像は、記録・保存されている)
▼4月6日の再続会で、どうにか第55期体制が出帆。いよいよ大同団結し、皆で一緒に民団を立て直そうとの機運が充満。
▼翌4月7日、呉公太前常任顧問・李壽源東京本部団長主導のいわゆる「正常化委員会」が発足。
▼7月19日には、「臨時大会開催」を求める中央委員・代議員の署名が過半数に至らず否決。この時点でも、混乱収拾のいい機会となり、団結への期待が高まる。
▼しかし、今度は、監察委員会が「不羈独立」「厳正中立」「公明正大」の大原則から外れ、議長、団長に対して誹謗中傷を始め、団の運営を妨げる。
▼最後に12月20日、前常任顧問5名により「臨時大会開催を求める会」が発足。
5回に及ぶ「求める会通信」配布で民団分断を計る。この彼らのすべての総決算が、中央委員会前日の決起集会シナリオに反映され、大混乱を引き起こしたのです。言語道断この上ない行動ではありませんか。
今後、この事態に関する総括が必要となり、処分問題も提起されるかもしれません。
2年以上に及ぶコロナ禍で、団員の皆様方の苦労は想像するに余りあります。また、毎日ウクライナの惨状を見るにつけ、我々の今なすべきことは何なのかと自問する日が続きます。我々は、将来の検証に耐えうる、民団員幹部としての規範に基づく行動をしていくべきであります。
主導されてきた方々は、自ら潔く退かれることを望みます。