掲載日 : [20-06-26] 照会数 : 13305
対馬支部、一時帰国者の給付申請など代行…放置車両の充電まで
[ バッテリーが上がった車に充電する支部団員 ]
コロナ禍支援の申請など 民団がお手伝い
観光客激減の対島 一時帰国者続出
【長崎】対馬を訪れる韓国人観光客は2018年までは月平均3万5000人を数えていた。しかし昨年7月から始まった「日本製品不買運動」で3000人にまで激減。これにコロナ禍が追い打ちをかけ、経営難と生活難から島を離れる団員が続出した。日本政府が経営困難で資金繰りが悪化した事業者に支援金、個人に特別定額給付金を支給するとの方針を打ち出したことから民団対馬支部は「団員が『特別定額給付金』や『持続化給付金』を受け取れるようにしたい」と考えた。
対馬に残った団員たちは申請に必要な書類を持参できた。問題は韓国に一時帰国した人たちだった。韓国から原本に印を押して対馬に送ろうにも国際郵便物を取り扱う地域は東京と大阪だけ。同支部は長崎本部に相談し民団中央本部の協力を得て、東京経由で対馬に転送してもらい、約3週間ほどで申請に必要な書類を確保できた。
この連携プレーで団員の相談に応え公的支援金を受けとるための書類作成から関係機関への申請までを無料で代行。持続化給付金、商工業者等緊急支援補助金、長崎県休業要請協力金、特別定額給付金、各種融資・貸付など15日までに団員が受け取った支援金は総額3302万円に達した。
また、一時帰国した団員が厳原から比田勝港経由で出港する際に駐車したままだった車を別の安全な場所に移動できたのも、中央本部経由でスペアキーを送ってもらったためだ。車の多くは長期放置のためにバッテリーが上がった状態。支部職員は車両のバッテリーを充電し1時間ほど作動させる作業を繰り返したという。
民団支部の各種支援金代行サービスは市役所側も歓迎。これまで民団の活動に特別の関心を持たなかった団員からも感謝の声が届いている。