文在寅大統領は24日午後(日本時間25日午前)、国連総会で一般討論演説を行い、「韓半島問題を解決するための原則には変わりがない」として▼戦争を容認しない▼相互安全保障▼共同繁栄の韓半島平和プロセスの3大原則を表明した。
文大統領は韓国大統領としては初めて3年連続で国連総会に出席した。
文大統領は「韓国は戦争が終わっていない休戦状態にあり、韓半島で二度と戦争の悲劇があってはならない」として、「われわれは人類史上最も長い休戦を終わらせ、完全な終戦を成し遂げなければならない」と強調した。
相互安全保障の原則については、「韓国は北の安全を保障し、北も韓国の安全を保障することを望む」とし、「互いの安全が保障される時、韓半島の非核化や平和体制を速やかに構築することができる」と説明。「少なくとも対話を進める間、あらゆる敵対行為を中止すべきだ」として、「国際社会も韓半島安保への懸念を解消するため、共に努力することを希望する」と呼びかけた。
共同繁栄の原則に関しては、「単に紛争がないことではなく、互いの包容力を強化して依存度を高め、共同繁栄のため協力することが真の平和」と表明し、「南北が共にする平和経済は韓半島の平和を強固にし、東アジアや世界経済の発展に貢献する」と強調した。
また、急変する韓半島情勢を説明し、「トランプ大統領と金正恩国務委員長(朝鮮労働党委員長)の決断が朝鮮半島の状況を劇的に変化させる原動力となった」と評価し、「今、韓半島は数発の銃声で情勢が激しく揺れた過去とは明らかに異なる」との認識を示した。
その上で、「韓半島の平和に向けた対話の場は依然健在で、南北と米国は非核化・平和だけでなく、その後の経済協力まで見据えている」と説明。「韓国は平和が経済協力につながり、経済協力が再び平和を強固にする平和経済の好循環構造をつくりたい」と力説した。
今後の方針については、「韓半島の平和はなお続く課題であり、世界平和と韓半島の平和は不可分の関係」として、「韓国と北は対話を続け、国連加盟国の協力下で完全な非核化や恒久的な平和に向けた道を見つけ、つくっていく」と表明。「平和は対話を通じてのみつくることができる」として、「合意や法が後押しする平和が真の平和であり、信頼に基づいて実現した平和こそ恒久的」と強調した。
米朝首脳に対しては、「金委員長の手を握り軍事境界線を越えたトランプ大統領の行動はそれ自体で新しい平和時代の本格的な始まりを宣言した」として、「両首脳がそこからさらなる一歩を踏み出すことを望む」と期待を示した。
また、南北軍事境界線を挟む非武装地帯(DMZ)について、「国連と全ての加盟国に非武装地帯を国際平和地帯としてつくることを提案したい」と呼びかけた。具体的には▼南北共同で国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産への登録推進▼軍事境界線にある板門店と北朝鮮・開城をつなぐ「平和協力地区」指定▼非武装地帯内への国連機関や平和・生態・文化機関誘致▼国連地雷対策サービス部などと協力した地雷除去などの内容を盛り込んだ。