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掲載日 : [23-02-01]   照会数 : 749

国法と日本法の相続の違いについて


Q:国法と日本法の相続の違いについて


 在日韓国人の父が亡くなりました。財産の相続は韓国と日本どちらの法律の適用を受けることになるのでしょうか。また、韓国と日本の法律では遺族の法定相続分(民法で規定された財産の取り分)が異なるということを聞きました。それぞれの国の法律で規定されている法定相続分について教えてください。
 

A:遺言で相続を処理する法律が指定されていない限り、父親の死亡時の国籍の法律(韓国人であれば韓国法。日本に帰化していれば日本法)で処理することになります。つまりは、あなたが韓国国籍であっても、日本国籍であっても、父親の死亡時の国籍の法律が適用されることになるのです。

 では、日本法と韓国法で、遺族の法定相続分に何か違いはあるでしょうか。

 まず、遺族が子供だけ(妻は既に死亡している)の場合、日本と韓国で遺族の法定相続分に違いはなく、子の法定相続分は均分(平等)になります。なお、韓国法では、嫡出子と非嫡出子※の法定相続分に差別はありませんが、以前、日本法では嫡出子と非嫡出子の法定相続分に差別がありました。しかし、法改正があり、2013年9月5日以後に開始した相続については、日本法でも嫡出子と非嫡出子は均等に相続することになりました。法改正で言えば、韓国法も1977年と1990年に大きな改正があり、現代と法定相続分が大きく異なる場合がありますので、1990年よりも前に開始した相続の場合は、専門家に相談すると良いでしょう。

 次に、遺族が配偶者(妻)と子供の場合ですが、ご存じの通り、日本法では妻の法定相続分は子の数に関係なく2分の1(財産の半分)となります。しかし、韓国法では、妻の法定相続分について、子の相続分の1.5倍になると定められていますので、例えば、遺族が妻と子供1人の場合は、法定相続分は妻5分の3・子5分の2となりますが、遺族が妻と子供2人の場合は、妻7分の3・子7分の2・子7分の2となり、配偶者の法定相続分は子が増えるほど少なくなるので、気を付けましょう。

 ※非嫡出子とは法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子のことです。
 

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