生活相談Q&A

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生活相談Q&A 内容

掲載日 : [23-02-01]   照会数 : 712

相続における準拠法と土地の相続について


Q:相続における準拠法と土地の相続について


 私は日本国籍者です。先日、韓国国籍の父が亡くなり、父の財産相続が発生しました。父は生前、日本に住んでいる韓国国籍者でしたが、この場合、相続のための法律は日本と韓国のものどちらに従うことになるのでしょうか。また、どうやら韓国には父名義の土地があるようです。私がこの土地を相続するには、どのような手続きが必要になるのでしょうか。
 

A:今回のケースでは、亡くなられたお父様が在外国民登録をした韓国国籍者、つまり日本に住んでいる韓国国籍者という前提でご説明をいたします。

 まず、お父様が遺言で特に相続についての準拠法を指定していない限り、お父様の国籍国であった韓国の民法が準拠法となります。法定相続人は、配偶者と子となりますので、お母様とあなた(ご兄弟がいらっしゃる場合はご兄弟も)が相続人となります。

 そして、韓国所在の不動産(以下「本件不動産」と言います)を相続するための手続きですが、相続登記をし、名義人をお父様から相続人に変更しなければなりません。

 まず、相続人の確定が必要となります。あなたは、日本国籍者ということですが、今回のケースでは他に韓国国籍者の相続人もいるという前提でご説明します。必要な手続きには、被相続人であるお父様の除籍謄本(お父様の出生から家族関係の登録等に関する法律施行までのもの)、及び、家族関係登録事項別証明書(基本証明書・家族関係証明書・婚姻関係証明書)、並びに、あなたの戸籍謄本が必要です。これに加え、韓国籍の相続人の家族関係登録事項別証明書(基本証明書・家族関係証明書)が必要となります。*家族関係登録事項別証明書には「一般」「詳細」の区別がありますが、相続手続きで使用するものは「詳細」を取得してください。

 次に、相続人間で遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成する必要があります。当該遺産分割協議書中に本件不動産についての協議内容も明記し、相続人全員が、印鑑登録済みの印鑑(韓国籍の方は,韓国国内で印鑑登録された実印で押印する必要がありますので,登録のない方は領事館で新たに印鑑登録をする必要があります)で捺印し、日本の印鑑証明書についてはアポスティーユを受けてください。

 そして、その後、韓国において、名義変更の登記申請を行う必要があります。①上記公証を受けた遺産分割協議書、②お父様の除籍謄本、③お父様の家族関係登録事項別証明書、④あなたの戸籍謄本、⑤韓国籍の相続人の家族関係登録事項別証明書、⑥相続人全員の印鑑証明書、⑦お父様と韓国籍の相続人の在外国民登録簿謄本を持参し、現地で本件土地の固定資産の評価を証する書面を取り寄せ、相続登記申請を行うこととなります。以上が、本件不動産相続のための必要な手続きとなります。
 

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