
「焼絵 茶色の珍事」展が、東京・板橋の板橋区立美術館で開催中。
焼絵(烙画)とは、熱した鉄筆(てっぴつ)や鏝(こて)、火箸(ひばし)などを紙や絹、竹などに押し当て、絵や文字を表現した作品の総称で、朝鮮、中国、日本では古くから行われていたと伝えられる。茶色を基調とした焼絵は、味わうほどに滋味深く、表現しがたい魅力を秘めている。
1811年、江戸時代後期の画家・猪飼如翠(いがいじょすい)が、対馬に来訪した朝鮮通信使を訪問し、火筆を披露して李文哲と交流を深めたことが記録されている。
1937年には民藝運動の指導者で朝鮮工芸の美を伝えた柳宗悦が、烙画による工芸品制作を実際に見学して驚嘆したことが資料に残されており、日本民藝館には柳が蒐集した縦笛の「短簫」が残されている。
同展では、朴秉洙の「葡萄図(ぶどうず)」や「山水図」など多くの烙画を展示。朴秉洙は20世紀に活躍した烙画絵師で、烙画再興者・朴昌珪(1783~?)の親族で多くの名品を残している。絵はもとより、漢詩による賛も焦がして描かれた烙画の静ひつな美しさを堪能できる。
同館の植松有希学芸員は「韓半島で描かれた烙画は30点近くを展示しているが、これだけ多くの烙画を展示するのは同館では初めてになる。繊細な筆致で描いた花鳥図や葡萄図の美しさ、そして烙画の特徴である漢詩が必ず添えられていることにも注目してほしい」と話す。
*同展は4月12日まで板橋区立美術館で開催中。観覧料一般900円ほか。講演会「いといと珍らかなる焼絵の世界」=3月20日午後2時~3時半、同館1階講義室、講師:植松有希(同館学芸員)あり。☎03・3979・3251(板橋区立美術館)。4月28日~5月31日まで中之島香雪美術館(大阪市)で巡回展示を予定。焼絵については『定本 焼絵考』(田部隆幸著/誠文堂新光社)が出版されている。
同展の入場券を抽選で10組20人に。住所、氏名、年齢、職業、電話番号、希望プレゼント名を明記し、メールかはがきで民団新聞まで。締め切り3月25日。