貧困、差別と偏見、抑圧、暴力と酒、家族離散と、本書が描く世界はまさしく梁石日氏の『血と骨』を彷彿させる。救いは、どんな過酷な状況下にあっても、ひたむきに生きようとする日本人の母親のけなげな姿だ。 解放前、母親は家族の猛反対を押し切って大好きな在日韓国人の父親の胸に飛び込んだ。しかし、韓国には夫も知らなかった名目上の正妻がすでに控えていた。夫に伴われ...
父の甥が韓国戦争の時に越南したという理由だけで、65年のある日、一家は突然「強制収容所」送りになった。父は仕事ぶりが認められて結婚を許された。その収容所で囚人の子として生まれ、奴隷のように23年を生きてきたのが著者である。 支配者・金父子のことも知らされなかったというから、そこは北韓でありながらも北韓ではなく、社会から一切隔絶された闇の中であった。...
「従軍慰安婦」という言葉は、今でこそ一般的になってきてはいるが、91年、慰安婦にされた本人が、韓国やインドネシアで自ら名乗り出るまでは、「民間業者の仕業」として片付けられ、歴史の暗部にずっと放置され続けた。 何故、生き恥をさらしてまでハルモニたちは名乗り出たのか。それは、「正義を実現するため」だった。 生き証人による告発で日本の負の歴史にメ...
頭を下げて歩いていると、ふと目に入るものがありました。それは散った花びらでした。花びらの落ちた場所は、道の両端に黄色の線がひかれた安全地帯の上でした。その花びらがささやきました。「踏まないで下さい」。その花びらに私も話しかけました。「生きることは死ぬこと」。私と花びらの死生観は違いません。 作家・許旭 文責=ギャラリーKyo (2008.4....
濃密な渡来人との縁 『源氏物語・千年紀in湖都大津』が3月18日から始まった。12月14日まで、多彩なイベントが繰り広げられる。源氏物語にある「光源氏の名付け親は高麗人」という記述に寄せて、近江と渡来人との深い関係を考える千年紀とするのも悪くない。紫式部が源氏物語の構想を練り、物語誕生を祈願したのが大津市の石山寺とされている。『紫式部日...
【北海道】大韓体育会北海道本部(申甲会長)は3月25日、民団北海道本部で臨時総会を開き、約5年ぶりに活動を再開した。新会長には函館支部の副団長も務める千正己氏(64)が就任した。 民団北海道本部の定期大会に合わせて開催された総会には、鄭進民団中央団長、金泰勲民団北海道本部団長、朴安淳体育会会長など来賓を含む50人が出席した。 72年の札幌...