掲載日 : [2008-12-24] 照会数 : 6985
同胞経済の苦境打開を 結束して支援に動く
民団、韓信協、韓商、駐日銀行
世界同時不況が経営基盤の脆弱な在日同胞企業を直撃している。民団は17日、都内のホテルに韓信協(在日韓国人信用組合協会)、韓国金融機関の在日支店、韓商(在日韓国商工会議所)の代表らを招き、同胞経済の苦境打開に向けた意見交換を行った。鄭進団長が「心を一つに危機を乗り切ろう。融資がないために生き残れない状況だけはつくりたくない」と強調したのを受け、関係機関が協議を密にして一致結束し、支援策を考究・実施していくことを確認した。
在日同胞経済の基幹産業である遊技・飲食・スクラップ・土木建設などの経営環境がかつてないほど厳しい。打開策を見いだそうと今回の会合の運びとなった。
会合には、民団中央本部から鄭進団長、呂健二副団長、韓信協から洪采植会長、金泰汶監事、愛知商銀の権東鉉理事長、広島商銀の鄭義夫理事長、あすなろ信組の尹昌旭理事長、岡山商銀の梁炳玉専務、また韓商の崔鐘太会長、新韓銀行の朴重憲東京支店長らが出席した。
冒頭で鄭団長は「中小・零細企業の多い在日同胞は、運転資金の欠乏による倒産が急増している。同胞経済人と民族金融機関、そして本国の銀行は一蓮托生の関係にあり、運転資金の不足による黒字倒産だけはぜひとも避けるよう努めてほしい」と呼びかけた。
韓信協の洪会長は「この難局を在日同胞が一致団結して乗り越えなければならない。韓信協としても真剣だ」と述べ、韓商の崔会長は「パチンコホールの廃業が相次いでいる。金融機関は企業にとっての動脈だ。どうすれば融資枠を拡大できるか、解決策をともに考えよう」と訴えた。
中小企業者の資金繰りを支援する「原材料価格の高騰対応等緊急保証制度」が10月31日から開始された。食品製造業や飲食店、卸・小売業など689業種を対象に、無担保保証8000万円、信用保証協会の100%保証で2億円までの融資が可能だ。だが、公的な緊急融資制度は製造業が優先され、同胞の業種にとってはハードルが高い。
これについて民団側は「韓信協の各組合がコンサルティング的な役割を担ってほしい」と要望した。韓信協側は「保証協会などに何度も足を運ぶことによって対応してくれるところもある。とにかく相談に来て欲しい」と応じた。
13日に開催された韓日首脳会談で、外貨スワップ(交換)枠が300億㌦まで拡大した。これと関連して新韓銀行の朴支店長は「日本とのスワップ取引が円とドルではなく、円とウォンの契約になるよう働きかけている。そうなれば、日本での資金調達に道が開き、ひいては在日同胞の融資に役立つ」と説明した。
民団は、在日同胞らの本国送金が通常の4倍(10月12億㌦)に達し、韓信協組合の在日支店への資金協力が大きいことに触れ、「韓信協の会員組合と協調しながら融資枠を広げてほしい」と要請、朴支店長は「新韓は在日がつくった。信組と協調融資をしたこともある。連携しながら歩んでいく」と強調した。
韓信協は本国からの支援金156億円について、「日本の国債を担保にしているため、メリットが少ない。優先出資扱いにし、資本金増強に役立つよう本国に強く要望したい」と表明、鄭団長は「来年は、信組と民団の幹部が本国要路を訪問する機会をつくりたい」と語った。
(2008.12.24 民団新聞)