掲載日 : [2003-03-12] 照会数 : 2966
勝ち越しでソウル巡業行き目指す 玉力道さん(03.03.12)
正念場迎え闘う日々
大相撲春場所が始まった。西の前頭11枚目にいるのが、東京・江戸川出身の在日3世の玉力道だ。本籍は大邱。先日の地下鉄惨事に胸を痛めた一人である。
生まれた時から体が大きく、体重は4・1㌔を超えていた。何かスポーツをと、両親は幼稚園から相撲と柔道をやらせた。江戸川はちびっ子相撲が盛んだった。
身長185㌢、体重138㌔の体格は、引退した横綱貴乃花クラス。若貴兄弟は明治大学付属中野中学、高校の先輩で、稽古をつけてもらったこともある。明治大学時代には学生相撲で4回優勝するなど、頭角を現していたが、恩師の寺島善一教授は、「中日ドラゴンズの川上憲伸とともに、文武両道に秀でた学生だった」と誉める。
卒業後は進学を考えたが、「頑張る姿をもっと見たい」という友人の一言で方針転換。10数カ所の部屋の誘いを振り切り、声のかからなかった片男波部屋に入門した。「変わり者だから」と本人は言うが、流されるのを嫌う意志の表れだ。
新入幕は01年1月。怪我で休場、十両落ちしたが、02年12月場所で十両優勝、初場所で幕内に復帰した。今場所は2場所連続の勝ち越しをめざす。勝ち越すと5月にしこ名入りの反物の浴衣づくり、6月のソウル巡業行きに名前を連ねることができるのだ。「戦後初の韓国入りというのに、在日同胞力士がいないという事態は避けたい」。正念場の場所を迎え、闘いの日々が続く。
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本名は趙栄来。1974年生まれの28歳。学生相撲を経て、97年3月に幕下付け出しで初土俵。得意技は左右おっつけと押し。幕内通算成績は22勝38敗。
(2003.03.12 民団新聞)