切替え更新…遅延防止へ案内通知を
正字の名前…同一人証明が困難にも
新たな在留管理制度が施行されてから9カ月余り。抜本的な制度改革に伴い、各地で団員が思わぬ不利や不便を被っていることが明らかになった。事態を重く見た民団中央本部は8日、全国事務局長会議の席に法務省と総務省の担当者を招き、具体的な事例をもとに要望事項を12項目にまとめ、改善を求めた。
特別永住者に交付される「特別永住者証明書」の有効期間は7年。切り替え更新を遅延すると、1年以下の懲役または20万円以下の罰金が課せられる。各事務局長からは、「制度が変わったことによって、各自治体は越権行為になるからと、もう個別の通知を行わなくなる。すると、これまで以上に切り替え更新を忘れる団員が出てくることは確実」と心配する声が聞かれた。
これに対して、法務省の担当者は、「永住者に限っては積極的な広報、案内を検討する」と約束したが、具体的な方法論までは踏み込まなかった。
制度が変わって不便になったことがもう一つある。韓国人や中国人に多い固有の漢字名が正字に置き換えられるようになったことだ。すると、住民票の写しと同様の効果で各種手続きに利用されている登録原票記載事項証明書と戸籍に記載された事項に齟齬(そご)が生じ、同一人だと証明できないことも。戸籍整理や遺産の相続などで不利益を被る事態も予想される。
法務省側は「同一人の確認は可能にしていく」と明言した。ただし、再交付申請のための手数料がかかるという回答には、「記載事項訂正という概念はないのか。制度上の問題なのに、お金を取るのはまちがい。少なくとも3年間は弾力的な運用を求める」と反発の声が上がった。
このほか、日本で50年以上居住する永住者が、入管で在留カードの更新を申請した際、パスポートを所持していなかったことを理由に受付を拒否された事例が明らかになった。「どうして旅券が必要なのか」との疑問に対して、法務省の担当官は、「旅券は強制ではない」と念を押しながらも、「あれば持参してほしい。旅券以外でも同一人が確認できれば受け付ける。旅券を持っていないときはその理由を書いてもらっている」と述べた。
このほか、外国人登録証明書に代わる特別永住者証明書を申請した際に、「まだ期間があるからいい」と交付を拒否されたケースも複数、明らかになった。法務省の担当者は、「誤った扱い」と認めた。
(2013.4.24 民団新聞)