
韓国と中国の自由貿易協定(FTA)交渉が10日、妥結した。アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席のため、中国を訪れていた朴槿恵大統領が北京の人民大会堂で開かれた習近平国家主席との首脳会談で発表した。2012年5月の交渉開始以降、約2年半続いてきた対中FTA交渉妥結によって、韓国は13カ国とFTAを妥結させた。米国、欧州連合(EU)、中国の世界3大経済圏で自由貿易圏を築くことになる。これはチリ、ペルーに次いで3番目の国となる。発効に向けては国会の批准同意が必要だ。
人口13億人の巨大市場関税
年間54億ドルの節減
首脳会談後、両国首脳が出席する中、韓国の尹相直産業通商資源部長官と中国の高虎城商務相が合意議事録に調印した。
両国は年内に細部の交渉を終えた後、FTA協定文案の作成と仮署名に続き、来年初めに正式署名を行い、FTAを発効させることで合意した。
朴大統領は「世界各国の景気回復が遅れ、低成長が続く世界経済にも良いこと」とし、「韓中が協力を続け戦略的パートナー関係をさらに充実させ、発展させていきたい」と強調した。
習主席も「両国は良き隣人であり、良きパートナー。今後も積極的に努力し、各分野での交流・協力を広げ、持続的で深みのある発展をめざす」と述べた。また、「7月に韓国で朴大統領と会談した際、年内の妥結に合意し全面的かつ高水準のFTA締結に関しても合意した」と付け加えた。
青瓦台では「過去最大規模となる年間54億4000万㌦の関税節減効果が生じ、農水産物開放の水準もFTA史上最低だ」とした上で、中国消費財市場への進出加速など、FTA交渉妥結の意義を発表した。
これまで韓国は農業部門を最大限保護するとの立場だったのに対し、中国は石油化学や電子、自動車など製造業分野で敏感な立場を示し交渉が難航していた。
しかし、昨年6月の韓中首脳会談で「高い水準の包括的FTA推進」に合意した後、今年3月にはFTA交渉の早期妥結で認識を共有した上で、7月の首脳会談では、「包括的なFTA交渉の進展を前向きに評価し、年末までに交渉を妥結するための努力を強化する」との共同声明を発表していた。
人口13億人をようする中国の巨大市場が開放されることで、韓国政府が進める経済活性化がいかに加速するか注目される。
青瓦台が発表した合意内容をみると、商品、サービス、投資、金融、通信など両国経済全般を包括する計22分野にわたる。中国は初めて金融、通信、電子商取引をFTAの対象に含めた。
商品の場合、両国は品目数ベースで90%以上を開放することで合意。中国は品目数91%、輸入額85%(1371億㌦=約15兆円)、韓国は品目数92%、輸入額91%(736億㌦=約8兆円)について20年以内に関税を撤廃する。
協定発効後直ちに撤廃する割合は、中国が輸入額44%、韓国が52%で、韓国がやや高い。自動車は両国がともに市場開放対象から除外した。液晶パネル(LCD)は10年以内に関税を撤廃することで合意した。
農水産物は品目数ベース70%、輸入額ベース40%で合意し、FTA史上最低水準となった。超敏感品目(輸入額ベース60%)は開放除外30%、関税割当制度適用16%、関税削減14%で調整した。
コメはFTAから完全に除外し、トウガラシ、ニンニク、タマネギなど韓国で消費量が多い野菜類と牛肉、豚肉、リンゴ、ナシなど610品目余りについても除外対象とした。
■□
開城工団製品は「韓国製」認定
他の国とのFTAより進展した部分もある。開城工業団地の製品が韓国製と認められたことだ。米国、EUとのFTAでは別に作られた韓半島域外加工委員会でこれを定めるが、これまで開城工業団地製品は韓国製と認められていない。
東南アジア諸国連合(ASEAN)とのFTAなどでは韓国製と認められる開城工業団地製品、100〜200品目の目録を作り協定文に反映させた。目録にあれば韓国製と認められるが、新しく生産される製品は認定が難しい。
禹泰熙通商交渉室長は、「韓中FTAの発効と同時に開城工業団地製品は別途の委員会での議論や品目リストなしで特恵関税を受けて中国に輸出できるよう合意した。具体的な方策は中国側と追加で協議する」と話している。
■□
韓国のFTA一覧
◆発効済み国・地域(発効年月)
チリ 04年4月発効
シンガポール 06年3月発効
EFTA(4カ国) 06年9月発効
ASEAN(10カ国) 09年9月発効
インド 10年1月発効
EU(28カ国) 11年7月発効
ペルー 11年9月発効
米国 12年5月発効
トルコ 13年5月発効
◆締結国(署名年月)
コロンビア 13年2月署名
豪州 14年4月署名
カナダ 14年9月署名
(2014.11.12 民団新聞)