掲載日 : [2002-12-11] 照会数 : 2322
教育分野から引き合い続々(02.12.11)
[ 1世たちの証言を聞き取る青年会員(昨年、大阪で) ]
青年会「歴史伝える運動」中間報告書
全国の〞証言〟が評価
予想上回る反響に驚き
品切れ寸前、増刷へ
第2次大戦中から解放後にかけて、在日同胞が歩んできた生活史を掘り起こした青年会の「歴史を伝える運動―中間報告書」が予想を上回る反響を呼んでいる。印刷分はすでに在庫切れ寸前で、今月中にも3000部を増刷し、内外の要望にこたえていくことになっている。
青年会の「歴史を伝える運動」は、会員がすでに3世、4世が増えたことから1世世代の歴史を実感できない青年が増えたことに対処しようと青年会が全国規模で開始した。日帝の植民地時代に1世たちが日本に渡り、炭鉱労働や軍需産業などに従事させられていた同胞に対する知識も史料から知る青年が増える中、直接自分たちが1世世代と面談し、生き様を記録に残した。
全国で400人に上る1世の体験を聞き取り、テープに記録してきた内、都道府県ごとに特徴ある2人ほどの体験を抜き出したのが「中間報告書」だ。
当初、2000部を印刷し、関係機関に配布すると同時に2000円で販売を開始した。広報と同時に、在日同胞の生活史を知りたいという同胞や日本人などから問い合わせが相次いだ。だけでなく、韓日近代史の教材として使用したいという学校関係者からも注文が舞い込んできた。この他、労働団体や教育関係者などからも引き合いがきているという。
印刷分の2000部はもうすぐ在庫切れが迫っており、青年会では早速3000部を増刷して対応したいという。
教育関係者から引き合いが多いのは、史料調査ではなく、実際に生存している1世から聞き取り調査するなど、実在する人物の事実に基づいた証言が多いためだからではないかと青年会では分析している。
聞き取り調査時には、1世の体験を聞き取るだけでなく、現在は残されていない地名や道路などの調査なども平行して進めなければ証言が理解できない場合も多いため、一筋縄ではいかなかったという。それだけに青年会では、残りの聞き取りを総網羅してまとめ上げれば、在日同胞社会が形成されていった一端を明らかにする史料になると、編集に励んでいる。
また、「もっと当時の状況が分かる写真があれば」という中間報告を見た人からの指摘を受けて、1世の証言を裏付ける当時の写真を探し出せれば、と意気込んでいる。問い合わせは、青年会中央本部(03・3453・0881)へ。
(2002.12.11 民団新聞)