掲載日 : [2003-01-01] 照会数 : 3505
2003年内外情勢と民団の課題−今年の課題(03.01.01)
[ 地方参政権付与を訴えて都心をデモ行進する全国各地の在日同胞 ]
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韓半島の平和確保急げ
今年は国際的に最も危機的な状況が進行するであろうと思われます。
まずはイラクの大量破壊兵器(核、生化学兵器)の国際的な査察の結果如何によって、戦争が勃発する危険性が高まっています。
アメリカはすでにイラク攻撃のために約30万人におよぶ兵員と空母4隻を中東に集結させており、査察に多少なりとも疑念が生じた場合には戦争に踏み切る構えを見せています。まさに一触即発の危機状況です。もしも戦争になれば、原油価格の急騰、アメリカ経済の不安等によって、世界経済にも深刻な問題を投げかけるでしょう。
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韓半島の緊張高める北の核
もう一つの危機的状況が予想されるのは、北韓の核問題です。
昨年10月、北韓は核再開発の意思をはっきり示すことで全世界を驚かせました。南北間で91年に合意した韓半島「非核宣言」に反するばかりか、94年にアメリカと行ったジュネーブ合意事項にも違反するものです。
KEDO(韓半島エネルギー開発機構)の軽水炉建設と、その間、北韓のエネルギー事情のため、重油を年間50万㌧供給するという約束も履行できなくしています。昨年11月までの重油供給をもって北韓の核開発放棄を鮮明にしない限り中断することになりました。 これに対する北韓の態度は昨年12月中に寧辺地区の原子炉を再稼働すると表明するとともに、IAEAの監視カメラの撤去と封印の解除を行いました。これは自らが国際的な孤立を招き、韓半島の緊張を高めるものです。北韓の核開発は韓半島の平和と安全に逆行するものであるばかりか、東アジア周辺国を不安がらせて南北関係の進展、日本との国交正常化等に大きな障害をもたらすものでしかありません。北韓の今の食糧事情や破綻している経済状況からして、一種の自殺行為と言わざるを得ません。
アメリカと韓国、日本は今のところ、あくまでも外交努力で北の核問題を解決すると言っていますが、もしもイラク問題が決着した場合、北韓に対してどのような姿勢で望むのか、定かではありません。北韓の核問題に対するアメリカの態度如何によっては、韓半島の平和と安全に重大な危機を迎える恐れがあります。
このような情勢のなかで、韓国では昨年12月19日、次期大統領として盧武鉉候補が選出され、2月25日には正式に新政府が発足します。
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北韓の核開発阻止へ大衆運動展開を
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北への毅然とした対応望む
新しい大統領は、まずは毅然とした姿勢で北の核開発を阻止し、韓半島の平和定着と安全確保の土台を築き、安定した南北の和解と協力を進めなければならないでしょう。
新しい大統領にはまた、国内的に国民統合を促進し、安定した政治の確立が望まれています。
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同胞社会にも影響もたらす
このような世界的な危機状況と北の核問題で韓半島の緊張が予想されるなかで、われわれ同胞社会も非常に流動的になるであろうと思われます。
特に、北韓の核問題の帰すうによっては、総連組織の弱体化と総連同胞の組織離れが加速化するでしょう。これらは同胞社会の地殻変動をもたらし、同胞社会の再編の動きとして現れる可能性があります。
われわれ民団は同胞社会の指導母体として、韓半島の平和定着と同胞社会の統合に全力を尽くさなければなりません。
それにはまず、北韓の核開発阻止に向けた大衆運動を全国的に展開し、国際世論を喚起することで北韓に核開発放棄を要求していかなければなりません。
民団、総連を問わず、全同胞的運動としてこの運動を展開するとともに、日本の平和、安全と在日同胞社会の平和と安全が直結するという意味からして、広範な日本の市民たちとともに、手を携えて運動を展開していかなければなりません。
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生活基盤再生にも全力、韓信協の預金増強運動を支援
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民族金融機関健全育成へ
われわれはまた、日本社会の構造改革の遅滞とデフレによる長期不況のなかで、同胞経済の再生のために、民族金融機関の健全育成に全力を尽くさなければなりません。
今年前半期には韓信協が推進する預金増強運動に全同胞的に取り組み、信用組合の体質強化と、安定的な経営基盤の確立に力を発揮すべきです。
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地方参政権獲得運動を継続
われわれはまた、今年こそ地方参政権を獲得し、21世紀同胞社会の法的な、政治的な枠組みを確立しなければなりません。
国籍を堅持しながら、日本の地域の構成員としての住民としての権利を確立してこそ、日本社会の多文化共生社会の実現に一翼を担い、日本社会の豊かな民主化と国際化を促進することができます。
地方参政権問題を提起して9年目を迎える今年こそ、地方参政権運動に画期的な転機を作り出していかなければなりません。
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民団組織自ら自己改革必要
われわれ同胞社会の世代交代が進行するなか、価値観の多様化、帰化人口の増加等、足下での変化に能動的に対処していかなければなりません。 今年3月、民団は新しい執行部を選ぶ大会が開催されます。
これを機に、同胞社会の指導母体として民団組織の強化と全同胞的なリーダーシップの確立が急がれます。そのためには、民団組織自体の自己改革が何よりも重要です。
新しい執行部は、全団的な意思の結集と改革の推進のために、同胞の現状と要望を直視し、民団組織のあり方を根本から見直し、具体的計画のもとで改革を実行していかなければならないでしょう。
今年は韓半島の平和定着とわれわれの生活基盤の再生と法的、政治的な権利の確立、そして21世紀初頭の同胞社会の統合に向けての民団組織の自己改革が切に望まれる重要な年になるでしょう。
(中央本部組織局)
(2003.01.01 民団新聞)