


翌日から炊き出した
岩手県・宮古市で焼肉店「永同園」を営む朴日順さん(75)と息子の孫栄秀さん(40)は、12日から8日間、復旧工事現場に炊き出しを行った。
「自宅を一歩出れば地獄。困っている人のために何かしたかった」と栄秀さん。メニューはおにぎり30個と、冷たくなっても美味しい散らし寿司。店を訪れる被災者には焼き魚や煮込み、コーヒーを振る舞った。
炊き出しを終えてからも、豚バラ肉を使った肉丼に味噌汁、キムチ、サラダ3品を付け、利益抜きで提供してきた。この「心のこもった温かい料理」がラジオで告知された。連日70人ほどが来店している。
「僕たちには命も家もある。着替えの服もある。だが、泥の付いた同じ服を着続けている人も多い。店に来てくださる方たちの気持ちが少しでも潤ってくれたら」と2人は頑張っている。
無料奉仕にカンパも
車2台で新潟・山形を経由して被災地本部に向かった中央対策本部の救援隊は3月17日、山形が大雪との情報を得て、新潟でスタッドレスタイヤに履き替えた。民団新潟本部が新潟市内でタイヤ流通センターを営む団員を紹介してくれた。
その団員さんは在庫がなかったためすっ飛んで他の業者に取りに行き、1本1万2000円はする工賃を8本分無料にしてくれたうえ、1万円のカンパもしてくれた。
強盗集団は外国人?
「やはり出てきたか」。「週刊新潮」(4月7日号)は「ワイド特集 『大震災』瓦礫に咲く花」の「ボランティアが目撃した『未収容遺体』を狙う強盗集団『作業現場』」の項で、こう言わせた。
「僕は車の中から彼らを見かけたのですが、日本人だったか外国人だったかも分からない。人が足を踏み入れられないような瓦礫と泥の中を3、4人で行動しているんです。遺体から遺体に移動しては、胸元に手を入れてガサガサとまさぐっている。救援の人かと思ったらどうも違うんです」
「外国人ではなかったか」という意図的な質問でなければ、こういうコメントは出ない。信号も街灯も消えた被災地では、「夜が怖い。○○人が凶器を持って集団で歩いている」といった《情報》が出回っていた。そのような現象を戒めるのが言論の責務ではないか。
津波が引いた直後から、同胞の事業所の金庫が破られ、あるいは持ち去られ、数百万、1000万円と盗まれた事実はいくつもある。日本人の元プロ野球選手ら3人が激甚被災地区で電線を盗んだとして逮捕されもした。だが、同胞や他の外国人がドサクサ紛れに悪事を働いたという事実は確認されていない。
「よみうり時事川柳」(4月2日付)にこうあった。「怖いのはウ素800の飛散なり」。デマがインターネットの掲示板やメールで流れていることに対し、警察庁は惑わされないよう、注意を喚起している。
外国人被災者も多い
法務省によれば青森、岩手、宮城、福島、茨城の災害救助法適用市町村に外国人登録しているのは7万5281人。うち、激甚被災地には約3万5000人という。岩手、宮城、福島の各県警が3月28日現在で把握した外国人死者は15人、行方不明が267人。身元確認ができていない遺体2501人(29日現在)の中には外国人もいる。
朝鮮籍同胞の訃報が
山形県の団員に被害がなかったことは早期に確認されていた。だが、同じ東北であることから、山形団員のなかには激甚被災地に縁者を持つ団員が少なくない。
安否確認の過程で、幹部経験者の夫人の姉の子ども6人のうち、2人が死亡、2人が行方不明であることが分かった。津波が襲った女川町の朝鮮籍同胞だった。朝鮮籍といっても、総連ではない。親の代からの国籍をそのまま維持してきたという。民団山形では幹部の縁戚であることから、戸籍整理などで便宜を図ってきた経緯があった。
燃料を直ちに送れ!
滋賀県で土木や産業廃棄物処理業などを営む金点植さん(90=民団滋賀本部常任顧問)は、被災地の様子をテレビで知るや号令をかけ、カップ麺などの食料、トイレットペーパーなど必需品、さらに自社のガソリン、灯油計6000㍑を急ぎ調達。
緊急車両の指定を受けた4㌧トラック2台に積み込み、16日夕、息子の祥啓さんと3人の社員は、12時間をかけて仙台市役所に届けた。帰路は燃料確保にも汲々とし、1回2000円までの限定給油を繰り返しながら、17日午後9時に帰社した。
祥啓さんから報告を聞いた金さんは、「寒くてもストーブを使えない。育ち盛りの子どもが満足に食べられない。酷だ」と涙ぐみ、「こんな時こそ、国籍に関係なく協力すべきだ」と語った。
サッカー選手も御難
「盛岡市内で、韓国のサッカー選手3人が孤立している。助けて欲しい」。民団岩手対策本部に17日、神戸のエージェントから電話が入った。電話の主は、朝鮮学校出身者独特のウリマルで話した。総連からは離れたとのこと。
3選手はJリーグ加盟を目指す盛岡のFCガンシュ岩手に2月26日、1年契約で入団したばかり。スーパーには何もない、買い出しに出かけようにもガソリンがない、情報も身寄りもない。言葉も分からない。
「さぞかし心細いはず」。岩手民団対策本部はすぐ、サムゲタン、缶詰、のり、カップ麺、水などを「何時でも連絡を」の言葉とともに手渡した。地震の恐怖と寒さのなか、市内の寮で不安だった3人は、「生き返った気分だ。ありがとう」を繰り返した。
3角通信で安否確認
岩手県宮古市に居住する高齢の団員Aさんの安否確認が取れない。だが、Aさんの旧友がたまたま、川崎市に嫁いだ娘さん宅に身を寄せていた。その旧友がAさんに連絡して無事を確認、岩手対策本部に一報を入れた。
宮城県松島町の浜辺で焼肉店を営む高齢女性のBさんは、間一髪で助かっていた。しかし、それを知らない東京や隣町にいる家族は焦った。北海道に嫁いでいたBさんの孫娘が知り合いの携帯に発信、無事であることを確認し、宮城対策本部に連絡してくれた。
近隣同士の通信手段が機能不全に陥っていた時期、威力を発揮したのが被災者と遠隔地の縁者、そして対策本部のトライアングル通信網だった。
自分のことより奉仕
宮城県女川町の申末子さん(67)は、自身が被災者として女川町の勤労青少年センターでの避難所生活を強いられている。だが、「じっとしてはいられない」と避難所で炊き出しのボランティアを買って出ている。飲食店を営んできただけに手際もいい。
民団宮城対策本部の李根団長が慰問・激励に訪れ、救援物資の衣服を提供すると、その場で着替え、「まだまだやらなければ」と意気軒昂だった。
(2011.4.6 民団新聞)
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