
米国の格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは8月27日、韓国の国債格付けを「A1」から「Aa3」に1段階引き上げた。急速に回復した財政の健全性や少ない政府債務などが評価された。これにより、韓国経済の対外的な信頼感がさらに高まるものと期待される。
少ない政府債務と均衡財政
「Aa3」は21段階のうち上から4番目で、日本や中国などと同格となる。今後の見通しは「安定的(ステイブル)」とした。信用格付けの上昇は、韓国経済の対外的な信頼を高め、政府および民間企業が海外から資金を借り入れる際の金利が低下し、金利負担が年間4億㌦ほど軽減されそうだ。
引き上げの理由として、▽財政の健全性▽経済の活力・競争力▽銀行経営の安定化▽地政学リスクの安定管理の4点があげられる。財政面以外はいずれも韓国経済の不安要因とされてきただけに、これらの改善がムーディーズによる高評価につながった。前回の格上げからわずか4カ月しかたっていない。
97年のアジア通貨危機で韓国の格付けは「Ba1」に急落した。この時に投機的レベルまで低下した国でAクラスを回復したのは韓国以外にない。他の格付け会社が韓国の底力ともいえる驚くべき復元力を指摘してきたように、ムーディーズも「韓国経済が外部の衝撃に対し、強い回復力を示した」と説明した。
対国内総生産(GDP)比の財政収支は09年のマイナス1・7%から、10年がプラス1・4%、11年が1・5%と年々改善された。昨年、米国がマイナス9・6%、日本がマイナス10・1%と、主要先進国が軒並み赤字だったのとは対照的だ。韓国の黒字は来年には対GDP比2%台の上昇が見込まれている。
また、対GDP比で韓国の債務残高は、08年の30・1%から昨年は34・0%に拡大したが、今年から縮小に転じ、14年以降は30%を下回ると予想されている。経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均は、08年が81・0%、昨年が103・0%と悪化しており、これに比べると韓国は非常に良好といえる。
7月末現在の外貨準備高は3143億5000万㌦で、世界7位の規模だ。リーマン・ショック直前の08年8月に比べると22・6%増加した。対外依存度の高い韓国経済は世界経済の環境変化に弱い面があるものの、ムーディーズは、十分な外貨準備高が景気変動から韓国を防御する役割を果たしていると診断した。
また、韓国の銀行について、短期外債の割合と預貸率(預金に対する貸出金の比率)が下がり、外貨調達状況が大きく改善されるなど、対外的なぜい弱性が緩和されたと評価した。
海外の専門家は「最近、国債など韓国の債券に対する人気が高まり、購入しにくい状況だ。韓国債に対する需要が増え、さらに低い金利で起債できる環境が整う可能性がある」と見通した。
ただし、公企業および家計負債の解決が韓国経済の課題として指摘された。
(2012.9.5 民団新聞)