
通貨スワップ 日本・5倍増、中国・倍増
韓国は先月、日本、中国と通貨スワップ(交換)の限度額を大幅に増額することで相次ぎ合意した。欧州の政府債務危機に対応するもので、金融市場の安定化が狙いだ。韓国が非常時に使用できる外貨規模は約4500億㌦に増大し、今後、ウォン安に歯止めがかかるものと予想される。
欧州の債務危機に対応
通貨スワップとは、銀行の当座貸し越しのように、外貨の不足時に自国通貨を担保に協定相手国の通貨を融通してもらうもので、「第2の外貨準備」とも呼ばれる。
李明博大統領と野田佳彦首相は10月19日、ソウルの青瓦台で首脳会談を行い、韓日両国の通貨スワップの限度額を現行の130億㌦から5倍強の700億㌦に増やすことにした。続いて、金滉植総理は同26日、韓国を訪れた中国の李克強副総理と会談し、両国間の通貨スワップ限度額を現行の284億㌦から568億㌦に倍増することで合意した。
韓国銀行と日銀が結んでいる円とウォンのスワップ限度額を現行の30億㌦から300億㌦へ広げたのに加え、今回は新たに韓銀と日本の外国為替資金特別会計(外為特会)の間で、ドルとウォンや円を交換する300億㌦の枠組みを設けた。
アジア域内では、97年のアジア金融危機の教訓から、韓日中とASEAN(東南アジア諸国連合)が2国間によるスワップ取り決め「チェンマイ・イニシアチブ」を締結した。この協定により韓日間では100億㌦のスワップ限度額があり、今回は据え置いた。ただし、これは金融危機時の利用が前提で、今回は危機に至る前の融通枠を増強するのが目的だ。
これで韓国政府が非常時に使用できる外貨規模は約4500億㌦に増大した。内訳は、9月末現在の外貨準備高3034億㌦、韓日通貨枠700億㌦、チェンマイ・イニシアチブによる通貨枠192億㌦、中国との通貨枠568億㌦となっている。
ウォンの場合、97年の金融危機、08年のリーマン・ショックの際に急落するなど、外部環境の変化によって乱高下する脆弱性があった。今回の日・中との通貨融通枠増大により、外貨不足への備えは十分であり、市場では長期的にウォンの上昇圧力として作用するとみている。さらに東北アジアの経済協力強化にも寄与するものと予想される。
(2011.11.2 民団新聞)