フィッチ 「安定的」→「強含み」に
格付け大手のフィッチ・レーティングスは7日、韓国の財政健全性などを高く評価し、格付け見通しをこれまでの「安定的」から「ポジティブ」(強含み)に上方修正した。現在の格付け「A+」が半年から1年以内に「AA−」に引き上げられる可能性を示唆した。
97年の金融危機で引き下げられて以降、「シングルA」の状態が続いた。フィッチが韓国の格付け見通しを「AA−」に引き上げたのは、09年8月以来2年3カ月ぶり。「韓国の短期対外債務の比率が低下し、ドルの流出入を管理する規制も効果を上げている。日本や中国との通貨スワップで外貨の流動性に対する懸念も払拭された」と説明している。
「08年以降の世界的な金融危機にもかかわらず、財政の健全性を維持している点が印象的だ」と評価されるなど、決め手となったのが財政の健全性。
韓国の債務と財政収支はともに良好だ。9月の国際通貨基金(IMF)の財政モニター資料によると、2010年基準で韓国の国内総生産(GDP)に対する政府債務比率は33・4%であった。米国の94・4%、日本の220%、英国の75・5%、フランスの82・4%に比べて、財政事情ははるかに良い。先進国平均の98・1%はもちろん、開発途上国平均の40・9%よりも低い。
昨年、韓国の財政管理対象収支はGDPのマイナス1・1%で、米国のマイナス10・3%、日本のマイナス9・2%、英国のマイナス10・2%などと比較しても堅実であることがわかる。97年以降、財政収支をしっかり管理したため、国家債務は健康体質になったといえる。
また、韓国の外貨準備高が1年で6・7%増え、10月末現在で3109億㌦にのぼった点、銀行の短期外債が減っている点などが高く評価された。最近、韓国が日本・中国と通貨スワップ(交換)契約を締結し、外貨流動性を拡大した点も考慮された。
対外健全性も高い点数を受けた。フィッチは特に 韓国特有の経済回復力も認めた。韓国経済は高い対外依存度のため世界経済の環境変化に弱い側面があるが、輸出企業の高い競争力と弾力的な為替相場制度のためこうした弱点を大きく緩和していると評価した。
戦争や体制崩壊など、北韓関連のリスク要因が発生する問題についても、韓国経済に及ぼす影響は大きいものの、そうなる可能性は少ないとみた。
今後、格付けを引き上げる条件として、外貨流動性と財政健全性の維持を指摘した。企画財政部の国際業務管理官は「両項目とも無理なく順守できるものなので、格付けの引き上げを楽観視している」と述べた。
信用格付けが「AA」に上昇すれば、国策銀行、政府系金融機関、公共機関などが低金利で資金を調達できるようになる。
これまでの例から見て、今回の措置がスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)やムーディーズ・インベスターズサービスの分析にも肯定的な影響を及ぼすと期待されている。現在、「A+」の国は中国、台湾、イタリアなど。「AA−」はサウジアラビア、スペインで、1段階高い日本は「AA」。
(2011.11.16 民団新聞)