掲載日 : [2008-12-11] 照会数 : 3976
<読書>朝鮮総連 金親子の「野望の道具」に
朝総連「学習組」の活動家、朝鮮大学校教員の経歴を持ち、北韓・朝総連問題の研究者として活躍する筆者は、朝総連の本質は「民族権利擁護団体」の中に金日成・金正日の韓半島支配を達成するための「非公然組織」(工作組織)が組み込まれた二重構造にあると指摘し、「権利擁護」だけを見て同情するのも、「工作組織」だけを見て敵視するのも、北韓の思うつぼだと警告する。
「朝鮮総連の誕生」「教育の変質」「財政活動」「工作活動」「内部抗争」「朝鮮総連再生への道」の6章からなる本書は、類書に比べ朝総連の生成・発展・衰亡の過程を総合的かつコンパクトに、分かりやすくまとめた。
筆者が最も重視したのは、朝総連に莫大な資産と資金、多くの人材を集めさせた「帰国事業」だ。これによって朝総連には、「在日朝鮮人を代弁する表の顔」と「金日成の統一戦略を遂行する裏の顔」を持つことを許し、日本には9万3000人という「人質」を北に提供して在日工作拠点を強化させる皮肉な結果をもたらしたと断じる。
北韓・朝総連の対韓国、対民団工作の実態もさることながら、朝総連を通じて民族的自尊心や望郷幻想からくる在日同胞の思いを吸い上げ、金日成・金正日の野望実現の道具に仕立て、朝総連組織そのものを食い物にしていく過程は生々しい。
(朴斗鎮、中公新書ラクレ840円+税)
℡03(3563)1431
(2008.12.10 民団新聞)