掲載日 : [2009-05-13] 照会数 : 3835
<読書>韓国の企業・金融改革 金融危機の克服に迫る
サブプライム問題に端を発し、米国を震源地に昨年後半から深刻化した世界金融危機を韓国はどう乗り越えるのか、危急の課題に迫った書だ。
1997年末、韓国が通貨危機に陥ってから10年余り。IMFの指導のもとに金融・企業部門における構造改革が断行され、多額の不良債権を抱える金融機関は、容赦なく清算、合併を強いられた。このドラスティックな変化を詳細に分析して興味深い。
この10年を経てなお、金融システムのあり方について、これまでの銀行主導から資本市場への移行の必要性を訴えながら、財閥の内部情報にまで踏み込んだ情報開示などの強化が急務だと強調する。
資本市場中心の金融システムと関連して、LG、SK、現代、三星の大手財閥グループに対しても大なたがふるわれ、企業再編していく過程が詳述されている。ファミリービジネスからいかに脱却していくか、新しい経営形態を模索する過渡期にあり、企業としての競争力強化を優先して図っていく経営組織が望まれると指摘する。
昨年10月から韓国為替市場は深刻なドル不足に陥ったが、米国、日本、中国と相次いで通貨スワップ協定を締結したことで、通貨危機への対応が強化された。過去の教訓を生かしたといえる。
大阪生まれの著者は現在、甲南大学経済学部教授。
(高龍秀著、東洋経済新報社、3400円+税)
℡03・5605・7021
(2009.5.13 民団新聞)