掲載日 : [2010-02-24] 照会数 : 4283
『陳昌鉉物語』 匠の半生、英語副読本でも
ストラディバリウス追い求めて
『陳昌鉉物語』さらに詳細に
世界的なバイオリン製作者で、名器ストラディバリウスに限りなく近づこうと、いまも夢を追い続ける陳昌鉉さん(80、東京都調布市)の苦難に満ちた半生記が、高校生用英語副読本『奇跡の響きを探して‐陳昌鉉物語』(A5判・47㌻、写真)と題して東京の三友社出版から発行された。
陳さんは独学でバイオリンの製作技術を学び、「国際バイオリン・ビオラ・セロ製作者コンクール」(76年、アメリカ)に出場、6つの審査部門のうち5部門で金メダルを獲得した。その飽くなき探求の過程は、08年度から使用され続けている同社の高校2年生用英語検定教科書『cosmosⅡ』でも、「バイオリンの謎」と題して掲載されている。今回は、関係者からの「さらに詳細に学びたい」との声に応えた。
陳さんは14歳で渡日。教師を志して明治大学英文科を卒業したが、国籍の関係で進路を閉ざされた。失意のなか、航空工学者糸川英夫博士が講演で語った「名器ストラディバリウスの再現は不可能」との言葉に一念発起、半生をバイオリンづくりに捧げるようになった。問い合わせは三友社出版株式会社(℡03・3946・0285)。
「志と夢大事に」若人へメッセージ
陳さんは50年前、「人生は夢だ」「感動だ」と自らに言い聞かせながら名器づくりに向かった。その夢は34年前、米国での国際コンクールで5個の金メダル獲得となって実った。バンクーバー冬季五輪でメダルを獲得した選手の涙を見ると、苦難の修業時代を思い出してか、いまも胸が熱くなるという。陳さんは「人間、志と夢をもって真剣に生きれば、必ず夢は実現する」と、若人へのメッセージを託した。
(2010.2.24 民団新聞)