掲載日 : [2010-03-10] 照会数 : 4434
日本の圧政韓国の目線で 前進座「木槿の咲く庭」上演
[ 演出の十島英明さん ]
「紙は燃やせても 言葉は焼けない」
植民地時代の1940年から解放までの韓国を舞台に、家族の6年間の出来事を、兄妹の目を通して描いた在米韓国人2世、リンダ・スー・パークさんの原作を舞台化した劇団前進座の公演「木槿の咲く庭」が23日から28日まで、東京・吉祥寺の前進座劇場で上演される。
原作はパークさんが幼少のころから聞いてきた両親の韓国での体験を元に、歴史的事実を踏まえて創作された。主人公は闊達で利発な10歳の妹スンヒィと、正義感が強くて機械好きな13歳の兄テヨル。家族はスンヒィの通う学校の教頭を務めるアボジ、優しいオモニ、そして印刷店を営む叔父の5人。
日本政府は皇民化政策を強化し、言葉、名前、国旗、文化などを奪い、韓国の国花である木槿の木をすべて伐採し、桜の植え替えを布告する。だが、2人の兄妹は苦境にもひるむことなく、知恵と勇気で立ち向かい、乗り越えていく。
同団ではこれまで、韓国に触れた作品には三浦綾子原作の「銃口」、弁護士布施辰治の生涯を描いた「生くべくんば 死すべくんば」がある。だが、この2作は戦中の日本を描いたもので、韓国を舞台に、韓国の家族の視点から戦争を描いた作品は初めて。
演出の十島英明さんは「舞台演劇で、韓国の人たちの気持ちを、日本人がどこまで表現できるかということに挑戦したことはなかった」と話す。 「人間の尊厳をめちゃくちゃにした日本という現実を、日本人には知ってもらいたい。在日の方たちには『こんなもんじゃない』と思う方もいるだろうが、韓国の方の痛みや、疼きをどう描けるかが勝負」
「紙は燃やせても、言葉は焼けない」。憲兵隊長がスンヒィの日記を燃やしたときに、アボジが娘に向かって発した言葉だ。「この言葉がすべてだと思う。私たち日本人がどこまで韓国の方の心に迫れるかということに挑戦して、在日の方々が、ここまでやったかと思ってくださることを願っている」
昼の部14時、夜の部18時半、19時(上演時間は曜日で異なるので要確認)。料金5000円。申し込みの際、民団新聞の読者と伝えれば、割り引き料金でチケットが購入できる。問い合わせ・申し込みは前進座全国公演事務所(℡0422・49・2633)。
(2010.3.10 民団新聞)