
在日3世である自らのルーツを追い求めた旅を文章と写真で描いた在日3世の写真家、李朋彦さんのノンフィクション『たぶん僕はいま、母国の土を踏んでいる。』がこのほど、リトルモアから発売された。
本書は05年に写真集『在日一世』を出版し、大きな反響を呼んだ李さんの2作目になる。
20歳のとき、民団の母国訪問墓参団に参加して以来、韓国への渡航を繰り返し83年までに韓国全土を撮影、個展「哀号」(83年)を機に本名で生きることを決意した。
初訪韓から27年の時を経て、47歳のとき区切りの旅となる訪韓を果たす。行く先々でさまざまな人との出会いと別れがあった。在日1世の祖父母が亡くなり、2世の父、母もこの世にはいない。彼らにとって母国とは、日本とは何だったのか。 己が何者かを探し続けた旅だった。だが旅を終えた今、それは探し出せるものではなく、ただ感じるものなのかもしれないとも。自らのアイデンティティを家族との絆のなかに見い出すまでの物語が、飾らない文体で語られる。
定価1900円+税。問い合わせはリトルモア(℡03・3401・1042)。
(2011.2.9 民団新聞)