虫の宝石ともいわれるヤマトタマムシ(玉虫)を使って1400〜1500年前の歴史的文化美術品を現代に蘇らせた韓日2人の匠にスポットをあてた韓日合作ドキュメンタリ‐映画「海峡をつなぐ光〜玉虫と少女と日韓歴史ロマン」(乾弘明監督、同制作委員会)が完成した。
慶州市の石野師、崔光雄さんは、日本側から1000匹にもおよぶヤマトタマムシの寄贈を受け、皇南大塚から出土した玉虫装飾馬具を復元した。気温の低い韓国で玉虫は自然育成できない。馬具の製作に使われた玉虫も日本から運ばれたものだったのではないのかと推察されている。
一方、石川県輪島に住む日本の蒔絵師、立野敏昭さんが現代風に蘇らせた「玉虫厨子」を見ると、厨子の背面中段に高句麗のシンボルマークであり日本では八咫烏として知られる三足鳥が見て取れる。玉虫が古代から韓日両国を取り結んでいたのがよくわかる。
奇しくも2人の匠の試みはほぼ同時期だった。玉虫が時空を超えて両国を結んだのだ。兵庫県生まれの在日4世、入矢麻衣さんが「旅人」として出演している。
ソウル大学医学部を卒業したある在日2世は、「対馬海流のように清々しい映画で、淡々と叙情的な中に人の心をとらえる力がある映画だ」という感想を寄せた。
また、吉田理栄子さん(ロケーションジャパン編集長)は、「人の思いは変わらず、国境もないことを、あらためて両国で共有できるのではないか」という。
東京テアトルの配給で今夏から全国で順次劇場公開される。韓国では一足早く今春、MBCテレビで放映される予定。問い合わせは平成プロジェクト(℡03・3261・3970)。
(2011.2.9 民団新聞)