
パリ展示作品帰国の記念展 昨年秋に約3カ月間、パリ・三越エトワールで行われた「歴代沈壽官展」の帰国記念展が1月31日まで、東京・中央区の日本橋三越本店で開催され、連日、3000人を超える観覧者が訪れた。同展は8日から福岡、3月に名古屋でも開かれる。
初代沈当吉は1598年、壬辰倭乱で出陣した鹿児島・藩主の島津義弘によって陶工、医者、養蜂家、瓦職人らとともに連行され、後に陶工の朴平意とともに白土を発見し、薩摩焼を創製した。 同展では、400年以上も技法を守り抜いてきた沈家の作品100点が展示された。
初代沈当吉の作と伝えられる名器「火計手」(ひばかりて)は、陶工たちが持参した朝鮮の土と技により、火ばかりが薩摩のもので作られたとされるもので、薩摩焼の根底をなす茶碗。
また、中興の祖として名を残したのは12代沈壽官。薩摩焼を象徴する技法の一つである「透彫」を考案、1873年にはウィーン万博に約190㌢の「大花瓶」を出品したことで、薩摩焼が世界へと知られていった。
15代沈壽官さんは新作を含む10点を展示。12代の時代に描かれた下絵図を今展のために甦らせた「薩摩獅子乗大香爐」と「薩摩鷲乗大香爐」をはじめ、沈家の技を受け継ぎながらも、新しい表現を取り入れた作品。
巡回日程は次の通り。
福岡三越・9階三越ギャラリー=8〜13日10〜19時半(最終日16時半まで)。入場料一般500円。ギャラリートーク/15代沈壽官さん=8日・12日。各日14時〜。問い合わせは福岡三越(℡092・724・3111)。
名古屋栄三越・7階催物会場=3月23〜28日10〜19時半(最終日17時半まで)。入場料一般・大学生600円ほか。ギャラリートーク/15代沈壽官さん=23日11時〜、26日14時〜。金子賢治さん(茨城県陶芸美術館館長)=23日14時〜。問い合わせは名古屋栄三越(℡052・252・1111)。
(2011.2.9 民団新聞)