共感の輪広げ出前公演50回
【兵庫】在日2世、朴明子さん(69、神戸市)演じる一人芝居「やなぎ行李の秘密」が3月末までに公演50回を超えた。依頼があると、小道具の民族衣装とBGM用のCDをカバンに入れ、身軽に全国各地を「出前」して歩いている。
公演活動は今年で9年目に入った。作品は1世から3世まで在日女性3代の生き方がテーマ。祖国と言葉を奪われ、通称名を強要された1世ハルモニが、娘や孫に伝えようとした人間としての尊厳を描く。あるイベントで初演、思いがけない反響の大きさに不特定多数を前に自己表現するだいご味を感じたという。
朴さんは「コリアンの魂ともいうべき、1世の思いを伝えてゆくのは1世と身近に接してきた私たちの役割」と話す。公演先では韓国の歴史や文化を分かりやすく紹介するトークコーナーや、チマ・チョゴリ試着コーナーも設けている。
同胞の中には4度、5度と見に来る人も。「私たちの気持ちを代弁してもらっているようで、共感するところが多い。内容も見る度によくなっています」という感想を寄せている。「重い内容なのに、見る者の心にすっと染み込んでいきます。芝居はいろいろと考えさせられました」と話す日本人もいた。
朴さんは東大阪市の出身。同胞経営の病院に看護師として勤務するようになってから本名を名乗るようになった。現在、神戸市長田区にあるコミュニティー放送局「エフエムわいわい」のパーソナリティーとしてマスメディアが伝えない在日同胞の文化、地域に根ざしたイベント情報なども伝えている。29日午後5時30分から神戸大学国際文化部で公演の予定。
問い合わせは朴さん宅(℡/FAXとも078・362・0026)。
(2011.4.6 民団新聞)