
05年に甲状腺がんで声を失いながら、奇跡の復帰を遂げた韓国のテノール歌手べー・チェチョル(宰徹)さんのリサイタル「歌う歓び、生きる喜び」が16日、東京・渋谷区のHakuju Hallで開かれる。
べーさんは「アジアのオペラ史上最高のテノール」と称されながらヨーロッパで活躍中の05年秋、甲状腺がんに襲われた。摘出手術の際、声帯と横隔膜の両神経が切断され、歌声と右肺の機能を失った。
だが、日本のファンの支援のもと、06年に一色信彦京都大学名誉教授による声帯機能回復手術を受けた後、懸命なリハビリを続けた。08年から教会などで活動を再開。同年12月には「新しい歌声」で臨んだCD「輝く日を仰ぐとき」の収録と、奇跡とも言える舞台復帰を果たした。
リサイタルは、東日本大震災による自粛ムードによって、さまざなまなイベントが中止されるなか「歌を通して被災者の力になりたい」というべーさんと、べーさんの日本公演を手がける音楽プロデューサーの輪嶋東太郎さんが開催を決断した。当日、べーさんは苦難と闘っている被災者に向け、魂の歌を届ける。 開演14時。チケット6500円。
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明日を信じる心 メッセージ
今回の地震では多くの日本の方々と共に、そこに暮らすたくさんの同胞の皆様も、命を、家族を、財産を失い、計り知ることのできない深い悲しみの中にいらっしゃることを思うと、言葉にできぬ悲しみを覚えます。
歌手である私が、命と同じである声を失い、絶望の淵にいたとき、救ってくれたのは日本に暮らす皆さんでした。
その日本が困難にある今こそ、私は皆さんのために歌わなければならない、そう思うのです。
私がそうであったように、決して希望を捨てず、明日を信じて生きることの大切さを伝えるために。それが私を支えて下さった日本人と、そして日本に暮らす同胞の皆さんに対する恩返しだと思っております。
ベー・チェチョル
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読者10人を招待
ベー・チェチョルさんの公演に韓国からの留学生をはじめ、民団新聞読者10人を無料招待。先着順。当日、会場で募金を募り、収益の一部を義捐金として送金する。申し込み・問い合わせはヴォイス・ファクトリイチケットデスク(℡03・5388・9990)。
(2011.4.6 民団新聞)