
焼肉・キムチは日本の食文化をより豊かにしてきた。いまや、学校給食でも「キムチご飯」が人気メニューになっているほど。韓日交流ミニ歴史博物館、高麗博物館(東京・新宿区大久保)では焼肉・キムチの普及に貢献してきた在日韓国人にスポットをあてた企画展「焼肉・キムチ大好き」を開催している。
解放前、在日韓国人の収入は統計上、日本人の約半分ほどだった。エンゲル係数は非常に高い。にもかかわらず、「助け合いと創意工夫により想像以上に豊かな内容であった」(鄭宗碩さん)。ある在日1世は、「食べられる雑草はなんでも食べた。八百屋でくずの野菜、魚屋であらをもらった。豚の内臓なども安く分けてもらった」「隣近所で貸したり、借りたりも。これがなかったら生き延びられなかった」と回想している。
「ある在日朝鮮人家庭のレシピ」と題した展示パネル。これは70歳近い在日2世が親から受け継いだノートを参考にしている。それによると、食生活の基本は米・麦・粟などのまじった主食とデンジャン、キムチ。キムチに使う白菜だけは大量に購入するが、せり、たんぽぽ、のびるなどは自ら採取した。えごま、にら、ねぎ、サニーレタスなどは川原や土手などに種をまいた。
解放直後の食糧難時代には闇市に店を出し、安く入手した牛の内臓を直火で焼いて「ホルモン」として出した。当時の日本人には牛などの内臓をそのまま食べる習慣はなかったから新鮮だったようだ。これが、キムチを伴って焼肉文化として広く浸透していく。いずれも、日本の食生活に合うよう、在日が知恵を積み重ねて創り上げてきたものだ。
企画展の責任者を務めた樋口雄一館長は、「故郷から持ち寄った伝統的な食文化を大切に守りながら、日本社会でさらに発展させていった在日韓国人への理解が深まればと思う」と話している。
7月31日まで。月・火曜日休館。正午〜午後5時(℡03・5272・3510)。
(2011.5.11 民団新聞)