
1950年6月25日の韓国戦争(日本では「朝鮮戦争」と呼称)勃発から61年になる。本書は、北韓軍の奇襲全面南侵で始まり、53年7月27日の休戦協定調印まで続いたこの戦争の全体像を、関係国の資料や多くの研究者の成果をもとに、多数の写真、作戦図とともに、描こうとしたもの。
南北および米・中・ソなど主要国にどのような影響を及ぼしたか。日本がどう関わり、どのような影響を受けたかについても概観し、わかりやすい。
本書でも指摘されているように、戦争は、金日成によって、ソ連のスターリン首相の承認のもとに、ソ連軍事顧問団が作成した南侵計画に基づき、中国の同意を取り付け、周到な準備のうえで開始された。中国軍の参戦(50年10月)後は中国軍が北軍の指揮権を握り、主役となった。休戦協定交渉も同様だった。
ところで、北韓はいまだに、①韓国側の引き起こした「全面戦争への反撃」であり「正義の祖国解放戦争」だ②金日成の指導で「勝利」に導いたと偽っている。総連も同様なキャンペーンを続けている。
朝鮮学校の歴史教科書「現代朝鮮歴史 高級1、2、3」は、高校無償化への適用や自治体からの補助金対策のために一部修正されたという。だが、「朝鮮戦争」に関する部分はそのままとなっている。
田中恒夫著
河出書房新社
(1800円+税)
TEL:03(3404)1201
(2011.6.22 民団新聞)